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「非」北欧生活|05. 東京で食べるフィンランドのファーストフード「Arnolds」

ポップなドーナッツがたっぷり入った茶色いArnoldsの箱。子供の頃のワクワクする瞬間10位の中には間違いなく入っている。

日本にもアーノルドの店舗があると知ったのは、
6年前くらいに吉祥寺をぶらぶらしていたら、たまたまお店の前を通った時だった。正直、それまではフィンランドの企業だということすら知らなかった。見た目が鮮やかで、ジャンキーなアメリカンドーナッツ!というイメージが強かった。

今回は、6年ぶりに吉祥寺のアーノルドへ向かった。実店舗はなくなっていたが、東急フードショーに小さいポップアップができていた。カウンターに「生地のあたりが、フィンランド」というポップがあり、ドーナッツの素材や魅力について書かれていた。アーノルドの生地は、フィンランドの伝統的な揚げ菓子、munkki 「ムンッキ」をベースにしていて、牛乳と卵は一切使っていないらしい。このことを初めて知って驚いた。確かに、アーノルドのドーナッツは少し独特な「アーノルドの味」をしている。

アーノルド吉祥寺店

フィンランドのアーノルドを食べたのは10年以上も前になるので、味の比較は難しいが、日本のアーノルドは明らかに「優しい味」をしている。子供の頃に食べた、ジャンキーで重たいアメリカンドーナッツではない。もちろん甘いが、生地は軽くふわっとしていて、味も大人の口に合わせたシンプルで優しい味だ。種類も、「シナモンシュガー」、「ピスタチオ」、「紅茶」などの大人向けなコレクションになっている。ただ、ちゃんと懐かしくなるアーノルド特有の味をしている。


憧れの箱買い

アーノルドについて少しフィンランド語のサイトや記事を読んで調べてみた。
アーノルドは1991年にアメリカのコーヒーショップの文化を初めてフィンランドに取り入れた企業である。社長のJussi Laurila(ユッシ・ラウリラ)がアメリカに留学した後、菓子パンの文化が昔からあるフィンランド人の口に合うドーナッツを作りたいという思いから始まった。今では、フィンランド国内で有名なチェーンの一つであり、徐々に海外にも広がっている。そして、やはりアメリカのイメージが強いせいか、外国の企業だと勘違いしている人が多いようだ。

今回は、日本では珍しい北欧のジャンクフードを体験する気持ちでいたが、北欧のイメージについて考える機会となった。マーケティングの時点からすると、アメリカのドーナッツ屋がたくさんある中で、フィンランド発祥のドーナッツをジャンクフードとして売るのはあまり意味がないのだろう。北欧=健康、丁寧な素材と作り、というイメージに合わせたアピールをするのは当たり前だ。最初は、「分かるけどなんか惜しいな、、」と思ったが、実際にフィンランド人が大切にしていることでもある。フィンランドのcmでよく聞くワードは「国産」「丁寧な作り」「こだわりのある素材」などである。Arnoldsのフィンランドのホームページを見ても、生地の説明は「オリジナルレシピ」と済ましドーナッツの見た目も明らかにジャンキーなイメージではあるが、「手作り」「丁寧な焼き立て」などをちゃんとアピールしている。素材にこだわったファーストフード
これはまさに北欧ジャンクフードなのかもしれない。

数少ない海外店舗の中で、日本でもアーノルドの箱を買って大人の贅沢を楽しめるのはとてもありがたいことだ。ホームページを覗くと、色んな街の東急フードショーなどで定期的にポップアップを出しているみたいだ。
たまには、ミスドの代わりにアーノルドに足を運んでみてはどうでしょうか!☻

もいっか!

クー🌙

今週のリアルフィンランド語 
sokerihiiri そけりひーり
= 直訳:砂糖ねずみ 意味:甘いものが大好きな人
*こちらで紹介するフィンランド語は日常で使う方言又はスラングになりますので、いわゆる正確な書き言葉でない場合もあります。

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