【あと570日】東京都港区でプリスクールを開園する人がたった一人でも会社を始められる理由。
2025年春、東京都港区にピッカス インターナショナル プリスクールを開園するナカガワです。出身は大仏と鹿で有名な奈良県です。
30歳でドイツから帰国したときに上京し、いつかインターナショナルプリスクールを開園するのだ、日本の子どもたちの幼児教育に選択肢を増やすのだという目標を定めてから、たった一人で少しずつ、まだ自分に足りないスキルというパズルのピースを埋めるように学びつづけてきました。
営業、マーケティング、プロジェクトマネジメント、リーダーシップ、プレゼン、採用などなど・・。経営に必要とされそうな自分のスキルを磨く、それはよく分かる。だがしかし、さあ起業しようと思っても何から手をつければ良いのかなんてチンプンカンプン。そんな私をここまで導いてくれた存在について今日はお話ししたいと思います。
あなたとの初めての出会いは・・・
なんだったのか。もう思い出せないくらい何年も昔のことですが、いつものようにフリーペーパーやサイトで見かけてふらりと参加した創業セミナー。そのセミナーが開催されたのが『東京創業ステーション』という会場で、三菱一号館美術館のすぐ裏、丸の内仲通りのなんともお洒落なロケーションにありました。
そこで出会った、私を今日までずっと支え続けてくれていて創業まで伴走してくれる頼もしい存在、それがこの『東京創業ステーション』という、起業を目指す都民たちを老若男女問わず様々な支援メニューで、そして無償でサポートしてくれる東京都中小企業振興公社が運営するとてもありがたい創業支援サービスなのです。
初めてのこんにちは
セミナーに参加したことでその存在を知った私はコンシェルジュの方に早速相談してみることにしました。初めて相談した日はただ夢のような事業アイデアとこだわりを書き綴ったパワポが一つあるだけ。資金調達のこともわからず、計画書の書き方も知りません。プロが聞いたら突っ込みどころばかりだったかもしれない話をとにかく真面目に一生懸命伝えました。今思い出すと少し恥ずかしいくらいです。
コンシェルジュの方は厳しくも真剣に話を聞いてくださり、東京創業ステーションの2階にあるPlanning Port、つまり次のステップとなる継続的な創業支援へ行くようにと繋げてくださいました。
Planning Portには、大きく分けて3つの相談支援があり、必要に応じて何度でも予約を取り相談することができます。
一つ目はプランコンサルティング。担当のコンサルタントの方からビジネスプラン作成を支援して頂くことができます。様々な強みやバックグラウンドを持ったコンサルタントの方々が在籍されていて、私の場合、最初の数回はランダムに色々な方に話を聞いてもらう中で、教育分野のご経験がある先生をご提案頂き、それからはずっと同じ先生に相談を続けています。
二つ目は専門相談。司法書士、知財アドバイザー、社労士、弁護士、税理士などの専門家へ相談することができます。私はこれまで分からないことが出てきたときに知財アドバイザーや税理士のプロの方へ相談をしました。商標登録申請について最後まで伴走して頂いたときも、まずは東京創業ステーションで相談をし、知財センターの担当者へ繋いで頂きました。これからは社労士さんへの相談も増えていくと思います。
三つ目は融資相談。資金調達を考えている場合、日本政策金融公庫や東京信用保証協会の方へ直接相談することができます。ある程度担当のコンサルタントの方と計画を作ったら、より事業に合わせた具体的な質問をするために予約する、という感じです。実際の融資ではなかなか聞きづらいようなざっくばらんな質問も融資を申請する前に聞くことができるのでとても心強いです。例えば有名人の出資者が入っていたら実際どうなの?とか。住宅ローンあっても大丈夫?とか。
事業計画が大きく前進した育児休業期間
岸田首相が育児休業中のリスキリングについて発言したのは2023年1月のことでしたが、それよりも前の2021年の育児休業中に私の事業計画書はグッと前進しました。生後4か月から預かってくれる港区の子育てひろばで保育士さんやお兄ちゃん、お姉ちゃんに愛でられながら頑張ってくれた娘には本当に感謝です。
販売計画や資金計画、経費計画、といった具体的な金額が見えてくる感覚は、集中力も必要で苦手な数字に頭を抱えることも多々ありましたが、なんというか思い描いていたものを実際に作ることができるんだ・・という、粘土をこねるような、積み木を積むような、ワクワクした気持ちが膨らんでいくとても幸せな作業時間でもありました。とは言え不安定な時代を生きている私達。制度や社会情勢が変わり計画を変えないといけないアクシデントは日常茶飯事と心得て、作りこみ過ぎず柔軟な気持ちを持ち続けることも忘れないようにしています。
一人だけど一人じゃない
そして私が今日まで準備を進めることができているのは、東京創業ステーションの支援だけではなく、多くの方の力を貸して頂いているからでもあります。
私の想いを丁寧にヒアリングして誰にでも伝わるようにパワーポイントに落としてくださったマーケティングのプロフェッショナル、あやさん。全く知見がなく不安でいっぱいだった私にクリエイティブの世界について説明してくれて、素晴らしいプロフェッショナルと繋いでくださっているクリエイティブのプロデューサー、高平さん。美しい言葉で事業のコンセプトを表現してくださるライター、峰さん。そして見れば見るほど愛着の湧くピッカスのロゴを製作してくださったデザイナーの小林さん。
まだ事業の実態のないうちから想いに共感し、信頼し、手を貸してくださっている多くの方に日々助けられて、私もピッカスも少しずつ前に進むことができています。そして何かあったら声をかけてね、と言ってくださるお一人お一人の声がどれだけ心強いか。本当に有難うございます。
こんな事業がしてみたいというアイデアがあったらまずするべきこと
会話のなかで、『実はこういうことが好きでいつか仕事にしてみたいと思うことはあるんだよね』と話してくれることが時々あります。そういう話はとても嬉しくて、少しでも背中を押したくなります。
でもまだ東京創業ステーションに行くほどでもないかも。そんな時、まさに私が同じように考えていた頃にとても刺さった言葉をお伝えするようにしています。
以前に事業をしている方から言われてずっと心に残っている言葉で、これは本当にそうだな、とずっと感じています。最初のうちは、事業のアイデアを話すのはとても恥ずかしいものでした。まだ何も決まっていない中で答えられない質問をされるのが怖かったのかもしれません。でも、もしやってみたいけど何からすれば良いか分からない・・という方がいれば、まずは勇気を出して、友達でもたまたま知り合った人でも、一人でも多くの方にアイデアを話してみる、というところから始めてみると良いのではないかなと思います。
一度、ふらりと入った新宿の個展で有名なミック・イタヤさんというアーティストの方とのんびりお話しする機会があり、スクールを作りたいという話をしたところ、代官山にある”ティーンズ・クリエイティブ”というとても素敵な子どもたちの居場所を教えてくださって、見学までさせて頂けたこともありました。見知らぬ人だからこそ気兼ねなく想いを伝えられたのかもしれません。100人に話してみることは、百利あって一害なし!だと思います。
そして、人に伝えることに慣れてきたらぜひ東京創業ステーションにふらりと遊びに行ってみてください。登録すれば使えるコワークスペースや、創業関連の書籍も充実しています。
開園まであと571日の昨日も私は東京創業ステーションにやって来て税理士さんに相談をしていました。オンラインでの面談もできますが、やっぱり対面でお話しすると温度や想いが伝わってより深い話ができるような気がしています。