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大阪市内で小さなワインスタンドを営んでおります。 2015年にワインの本質を学ぶため…

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大阪市内で小さなワインスタンドを営んでおります。 2015年にワインの本質を学ぶために渡仏を決意。 現地での生産者との思い出を交えつつ、日々思うあれこれや店主の酒場への想いを書き綴らせていただいてます。 少し長めの文章ではありますが、是非読んでいただけると嬉しいです。

最近の記事

遠回りすることが、一番の近道

今日はフランス滞在中に訪問した生産者の、特に印象的だった言葉について書かせていただきます。 「さくらんぼの実る頃 (Le Temps des Cerieses) 」という歌曲をご存知でしょうか? 宮崎駿監督の「紅の豚」加藤登紀子さん演じるジーナが作中で歌唱する挿入歌だというと、きっと耳にされたことがある方も多いかと思います。 19世紀中頃に銅工職人でパリ コミューン(革命自治体)のメンバーでもあったジャン バティスト クレマンが書いたフランスのシャンソンを代表する歌曲

    • 縁を紡いで、恩を返す

      今日は人生を楽しむうえで欠かせない音楽の話を。 2015年の秋、それまでお世話になっていたレストランを退職し渡仏しました。 その時は自身で店を持つという未来までは見据えていなかったものの、これからも長くワインを扱ううえで、本質的な仕事をしたいというか、自分自身の言葉にもっと説得力を持たせたい。 そんな想いから、というかそんな想いだけで渡仏を決意したのです。 パリに降り立って数日後には研修先での仕事が始まり、あれよこれよという間に収穫が始まって怒涛の仕込み、醸造がひと段落

      • ゆっくり歩け、たくさん水を飲め

        今日はフランス滞在中に訪問した生産者の、特に印象的だった言葉について書かせていただきます。 フランスでの生活にも随分と慣れてきたころ、幸運なことに知人から車を譲り受けることになりました。 翌月に帰国を控えた知人が処分しようかと検討していたものを、ご厚意で破格にて譲ってもらう事になったのです。 生産者を訪ねようにもお世辞にも交通の便は良いとはいえず、それまでは都市部での試飲会やよっぽど駅から近くない限り、車がなければ蔵の訪問は叶いませんでした。 こうして行動範囲が一気に広

        • 湯船に浸かるような感覚で

          今日は酒場に欠かせない、ワインの温度についてのお話を。 私のお店は7坪ほどの小さなワインスタンドで、食事はそんなにいらないけれど美味しいワインをグラスで楽しみたくてご来店くださるお客様がほとんどです。 常時10種類くらいグラスで開けていて、その時の気分や好みをお聞きしてお勧めの一杯を提供させていただいています。 先日お客様からこんな質問をいただきました。 「お店でいただいたワインが美味しかったので自宅で楽しもうとネットで購入したんだけれど、印象が全然違ったのはどうしてで

        遠回りすることが、一番の近道

          たゆたえども、沈まず

          今日は直接的なワインの話ではありませんが、フランス滞在で気付かされて今も大切にしている、ある名言について書かせていただきます。 人は誰しも生きていくうえで、大切にしていたり支えになっているような言葉があるのではないでしょうか。 勇気をもって何かに挑戦する時、不安に苛まれて何かに縋りたくなった時。 そういった言葉が背中を押してくれたり、救いの手を差し伸べてくれるような気がします。 私にも道に迷いそうな時や困難に立ち向かわなくてはいけない時に、迷わずいけよと鼓舞してくれるよ

          たゆたえども、沈まず

          点と点が、線で繋がる時

          今日はナチュラルワインの素晴らしさに触れた、ある夜のお話を。 私のお店は7坪ほどの小さなワインスタンドで、食事はそんなにいらないけれど美味しいワインをグラスで楽しみたくてご来店くださるお客様がほとんどです。 常時10種類くらいグラスで開けていて、その時の気分や好みをお聞きしてお勧めの一杯を提供させていただいています。 休日に特に予定がなければゆっくりと散歩や読書をすることが多いのですが、先日読んだ本に「邂逅(かいこう)」という言葉が散見されて、少し気になって調べてみました

          点と点が、線で繋がる時

          通過点で、あるということ

          今日は店名の由来についてのお話を。 私のお店は7坪ほどの小さなワインスタンドで、食事はそんなにいらないけれど美味しいワインをグラスで楽しみたくてご来店くださるお客様がほとんどです。 ご近所での食事の前に軽く食前酒を楽しまれたり、週末の陽の明るいうちからゆったりとしたワイン時間を過ごされたり。 仕事終わりで帰宅する前にどうしても一杯だけ飲みたくてお越しくださる方や、梯子酒を楽しまれた終着地点として遅めの時間にお越しくださる方もいらっしゃいます。 それほど食事に重きを置か

          通過点で、あるということ

          足るを知る者は富む

          今日は直接的なワインのお話ではありませんが、フランス滞在中に感じた彼らのミニマルな思考について書かせていただきます。 ミニマルやミニマリストという言葉を数年前から書籍やSNSを通じてよく目にします。 その概要はさておき、私自身も不要な物は然るべきタイミングで手放して、新たに購入する際にはしっかりと吟味したうえで、なるべく衝動買いをしないよう自律することを日頃から心掛けています。 過度に意識しすぎるのは少し違うかも知れませんが、必要以上に所有しないことで生まれる余白のある生

          足るを知る者は富む

          ボトルで飲むからこそ、見えてくる景色だってある

          今日はボトルで向き合うワインの楽しさについてのお話を。 私のお店は7坪ほどの小さなワインスタンドで、食事はそんなにいらないけれど美味しいワインをグラスで楽しみたくてご来店くださるお客様がほとんどです。 常時10種類くらいグラスで開けていて、その時の気分や好みをお聞きしてお勧めの一杯を提供させていただいています。 そんなグラスで色々なワインを楽しめるのが強みのお店なのですが、時にはボトルでじっくりと向き合ってみるのはいかがでしょうか? 食事を伴う場合やある程度の人数がいる

          ボトルで飲むからこそ、見えてくる景色だってある

          形から入って、心に至る

          今日は酒場に欠かせない音楽のお話を。 酒場を営むうえで日々お酒を注ぐことを生業としておりますので、香りや味わいの印象を言語化することや造り手の背景を添えたりと、一杯のお酒に対しての付加価値を高めることを心掛けています。 そして同じくらいに、お酒を楽しむ場としての「時間の切り売り」を大切にしたいと思っています。 例えば夜が深まっていくにつれて徐々に照明を絞っていく「調光」であったり、出来るだけ多くの方にとって快適に過ごしていただけるように「空調」に気を配ったり。 ごく当た

          形から入って、心に至る

          少しずつ、手に馴染んでいくその感覚を

          今日は酒場に欠かせないワイングラスのお話を。 私のお店は7坪ほどの小さなワインスタンドで、食事はそんなにいらないけれど美味しいワインをグラスで楽しみたくてご来店くださるお客様がほとんどです。 そして当店では木村硝子さんのピッコロ 10ozワインのみを扱っています。 小ぶりで愛らしいフォルムと長すぎない脚が印象的な、ワインが好きな方ならご存知かも知れない定番のモデルです。 薄いけれども丈夫なつくりで、背が高すぎないので収納にも便利、それでいてとてもお値打ちな価格なのでご自宅

          少しずつ、手に馴染んでいくその感覚を

          人生とオムレツはタイミングが大事

          はじめまして。 大阪で小さなワインスタンドを営んでおります。 いつかチャレンジしたいと思いながら中々一歩を踏み出せずにおりましたが、 少しだけ時間にも余裕が出来たので今回「note」にて駄文を書く運びとなりました。 SNSでは少しでも多くの方にお店やワインに興味をもっていただきたく日々投稿しておりますが、こちらでは自らの備忘録も兼ねての極々 私的な (或いは変態的な) 文章を書き連ねていこうかと思っております。 所謂ナチュラルワインを初めて飲んだのは20歳の頃、200

          人生とオムレツはタイミングが大事