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たま神さま#4

たま神は頻繁に来るようになった
日に7回来た時は、これは中々だぞぃと驚いた
たま神はスクラップ類を収集して現金収入を得ている
収集したスクラップ類を種類別に分別していくのだがそこまでやるかと言う位バラして行く
中には珍しい形をした部品や、金属特有の光沢を纏った部品などがバラして行く過程で出てくる。
たま神はそれらは売らずに別の袋に貯めておく
少し燻んで変形した小さな金属類も拾っては貯めていく
ある程度、貯まってきたらわたしの所に持ち込んでくる
「はるきさん 今日はこれでいくらになりますか」みたいな感じだ
毎日、2000円以上の収入を得なければいけないたま神にとって、その金額に辿り着けなかった場合、わたしに珍しいスクラップを売りに来るのだ
わたし好みのスクラップ類はたま神に全て把握されている
「はるきさん 今何か探してる物はありますか?」と帰り際に聞いてくる
「水道の蛇口が欲しい」と言えば
明くる日、3本位持ち込んで「はるきさんいくらで買いますか」と来る
なかなかやるじゃねーかたま神よ
タッパに大量に持ち帰ったカレーは全部で2200円になりましたと付け加えてくる
自分で食べるだけでなく、ちゃっかり転売して小さな商いをしているようだ
お得意のたまご焼きで青空で商売する事もあるみたいだ。
また世話になっている人達にはたまご焼きを土産にして顔を出し、気を良くした先方から手間賃をもらうみたいだ
また手作りのお弁当の注文も入るらしく
魚沼さんコシヒカリの米にたまご焼き、炭火で焼いた鮭などを入れた弁当を顧客にデリバリーしているみたいだ。
37年間、この西成で生きてきたたま神の処世術は非常にポップである

続く

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