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たたかう無能

自分のことを
自分でできる
おとなになりたい

自分のことをもっと自分でできるようになるための努力をしないことが
大人としての、
まるで立派な社会人としての、
身のこなしだったから

絶句したまま言葉を失った


仕事とは何か
生きるとは何か
考えずにはいられないぼくは怠け者なのか

あまりにも無能に思えるあなたより
さらに無能な自分の存在に涙も枯れ果てるよね

はたまたぼくらが蜚蠊ならね
こんなに有能なものはないこんなに優秀なものはないよ
だけれどもぼくらは人なんだよ

人でこれは
無能と言わざるを得ないだろぼくら
どれだけの能力をドブに捨ててきたんだろう
いい加減にしろよって、
思うだろ?


自分の才能を育てることは
子育てみたいなものなんじゃないか


自分を自分の子どもだと思って楽しませる
明日も生きていたいと思わせる環境をつくってあげる

誰かの親になる人は
それができる人であってほしかった

だからぼくはぼくを楽しませる最高のエンターテイナーになる


一番大事な子育てを放棄させられたまま、
誰かの親を務めさせられてきた可哀想な大人たち、いかれた社会の立派な社会人たち、
視界に入れたくもない、人に見えない人々

枯れても枯れてもなお湧いてくる涙を拭いながら
ぼくは思考を巡らせる

捨てたって消えないことをぼくは知っている
潰したって死なないことをぼくは知っている

使い物にならないからって捨てても消えないし
気色悪いからって殺しても死なない
共に磨き合っていくしかない同士たち

叩き起こす
夢から醒めろと叫ぶ

あなたは人だ
低俗な生き物に成り下がるな
男らしく生きるな
女らしく生きるな
あなたらしく生きろ
あなたらしさをつくっていけ
それだけのことさ
それだけのこと

行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。