悩ましい

ぼくは存在しないのか

ぼくには体があるのに

体のあるぼくらは本来全員パフォーマーだったのに

何も自分でしなくていい世界になって
何も自分で考えなくていい時代になって
全部誰かや何かにやらせればよくて
全部誰かや何かが考えてくれて

やりたくてもやらせてはもらえず、
考えることは許されてないしそもそもそんな能は育ってないし

ぼくらが存在する意味はなくなった
ぼくらは存在しなかった

ぼくは存在しない

ぼくは存在しないのか

ぼくのことを誰も知らない

それでも

ぼくにはまだ頭も心もぼくの意思で動かせる手足もある

行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。