大事な話3

ぼくはおとなだと思ってた
6歳になったぼくは、自分のこと自分でやらなきゃいけない自分のこと自分で決めなきゃいけないおとなになったと思ってた

でもぼくにはできないことばかりで、できることなんてほとんどなくて、何もないように思えて、何もしたいこともなくて、何も自分で決められない子だった

ぼくは大人にはなれないと思ってた
ぼくにできる仕事なんてないなってわかってた
わかってたけど誰かの稼いだお金で生きたくなかった
ぼくはぼくの生きるためのお金は自分で稼がなければならないってこともわかってた

自分が頑張らなきゃいけないって、自分で決めなきゃいけないって、ぼくはわかってた


ぼくは、
ぼくはかんがえる、

子らは変態で、
大人になると人はほんとは変態ではなくなるのが正常だと思うのだが

人々の考えは違くて、

なぜだか

子らを抑え込み成長を妨げ
大人になったら自身の変態を隠さず堂々と変態として生きていいようになるという不可思議なもので、

何も成長させてもらえないまま体だけ大きくなってしまった見かけだけの大人たちは
恥ずかしげもなくしたり顔で変態として人生を謳歌しているようで

見ていられない人々の醜態

ぼくは社会の一員になれない
なりたくなかった
なれなかった

行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。