涙と罰と悪と、鏡
どうしても溢れてくる
涙を見ている
包丁で指を切ってしまったときみたい、赤い血が指先から出てくるのをじっと見てた、鮮やかな血が流れ出てくる
涙が滲んで零れ落ちる
ぼくが自分で切ったんだ
そして、わざとではなかった
ぼくが悪い
全部ぼくが悪いんだ
だけど、ぼくにはどうすることもできなかった
その可能性があるところにいて、それが現実になっただけ、夢が叶った、みたいなこと
ぼくを責められる者はいない
ぼくは誰も責めない
誰も悪くないことを知っている
誰も悪くないし、
ぼくには何も起きてないのに、
一人勝手に苦しみ出して、
何もされてないのに、
溜めてきた悲しみが堰を切ったように流れていく
もう駄目なんだ
耐えられない
隠せない
ぼくはぼくを殺せなかった
生きていた
生きていたんだ
からだがない
からだがないんだ
湧き上がるパワーで込み上げる涙を乱暴に拭ったせいで目の周りに赤く小さな点が無数にできている
その傷ついたきれいじゃない顔がぼくはきっと好きなの、それはきっとわざと、抑えられない力でこのからだをぼくは傷つけてるの、
やるせない、
あってはならないことをずっと続けている
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行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。