生まれ変わっても、ぼくのもとに帰ってきてくれるかな
死にたいと小さく呟いたきみの言葉はかき消され、宙に舞い崩れた。ぼくはずっときみを探していた。誰よりも素直で泣き虫なきみが、ひとりぼっちの暗いワンルームで咽び泣くことがもうないようにときみの心に灯火をつけた。「きみはぼくのひかりだよ。居なくならないでね。」か細い声で力の限り言葉を放ったきみはもう既に永遠の中へ行ってしまった。ぼくだって、きみがいなくなってしまうことが怖かったよ。だけど即席的に生きているきみは、その場で他人のおもうなかのきみをつくりだして完成しないまま永遠になってしまったんだ。悲しいよ、寂しいよ、愛していたよ、今ある限りの僕の中の言の葉は届くはずもなく消えていった。きみも言葉も刹那的で美しくて、誰よりもなによりも憎くて大好きだよ。生まれ変わったらなんて、そんな都合のいいことはないかもしれなくても、またぼくのもとに戻ってきてくれるかな、愛してる、愛してるよ。
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