まなみ

短編小説が得意です!

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最近の記事

精一杯の憎しみと、嫌いですの意味を込めて

言葉を殺されて、声を殺されて、音楽を殺されて、そして。ぼくはきみのことが大好きだったよ。だけどきみの愛は痛くて脆かった。形だけの優しさに溺れていったぼくは、「ぼくを独りにしないで、行かないで。」そんなありふれた言葉で居場所を紡ぐようにしてきみの傍から離れなかった。だけどきみはぼくを乱雑に置いていってしまった。見せかけの言葉に簡単に騙されてしまったぼくだけれど、だけど、きみの傍がとても好きだった。それはとても心地が良くて泣けるほど幸せだった。現実から目を背ければ背けるほど幸せは

    • 拝啓、最低なきみへ。

      きみから買った愛は痛くて脆くて愚かで、どうしようもなかった。だけど本当はそんな愛が大好きで大切だった。死にたくなるほど大好きだった。尊敬していた。それは才能から容姿から、頭からつま先まで全部全部狂おしいほどの愛だった。だけどもう、きみの心を感じたいという感情もなにもかも全て失くなってしまった。もうきみに対しての感情は空っぽだけれど、ただ一つ残っているのは、今でもきみの心が知りたいという気持ちだ。今までにも何度かぼくたちの目の前に霞んだ大きな蟠りができたことがあった。きみが何を

      • ぼくのこころが消えてしまうまえに

        どれだけ好きになっても信用しても私の心を求められることなんか一度もなくて。悲しかった、辛かった。屈辱的な思いもたくさんした。 いままでぼくが受け取ったはずの愛に似たものは、全て嘘で塗り固められたうそっこのおままごとだった。ぼくがどれだけ愛を尽くしても、ぼくが大切に少しづつたくさん届けた愛は全て壊された。あの人たちに崩された。ぼくは気が狂うほどあの人もあの人もあの人もあの人もあいつもあいつも憎んだ。ぼくかひとりで泣いた夜も死にたくて苦しんだあの日もその瞬間も、あの人たちは知らな

        • あの街、新宿歌舞伎町

          ひとりぼっちのぼく。それを眺めて死にたいと呟いたきみ。ぼくは心底きみが羨ましかったよ。ぼくのまわりには誰もいなくて寂しくて、夏が近づく暖かさのなかで冷たく冷えた身体を縮こませながらぼくは涙を流した。いいよねきみは、死にたいと呟いたその言葉の行き場が決まっているから。私の大切な言葉は、行き場もなく宙に舞いどこかに散ってしまっているよ。ぼくは心底寂しくて悲しいんだ。歌舞伎町のさくら通りで、お姉さんかわいいねと声をかけられる度に。ホストクラブの初回を案内される度に。お金の関係の男性

        精一杯の憎しみと、嫌いですの意味を込めて

          生まれ変わっても、ぼくのもとに帰ってきてくれるかな

          死にたいと小さく呟いたきみの言葉はかき消され、宙に舞い崩れた。ぼくはずっときみを探していた。誰よりも素直で泣き虫なきみが、ひとりぼっちの暗いワンルームで咽び泣くことがもうないようにときみの心に灯火をつけた。「きみはぼくのひかりだよ。居なくならないでね。」か細い声で力の限り言葉を放ったきみはもう既に永遠の中へ行ってしまった。ぼくだって、きみがいなくなってしまうことが怖かったよ。だけど即席的に生きているきみは、その場で他人のおもうなかのきみをつくりだして完成しないまま永遠になって

          生まれ変わっても、ぼくのもとに帰ってきてくれるかな

          情けなく助けを求めたまま

          きみはぼくのひかりだったよ。どうしようもなく暗くて窮屈でむさ苦しいあの空間に一筋のひかりをくれたきみのことが大好きだったよ。ぼくにとってきみはひかりを宿してくれる存在だったよ。今思っている感情すべて、ここで出し切らないと全てなかったことにされてしまうことをぼくは知っている。ぼくは悪者になっても構わないなんて言ってみたけれど、やっぱり腑に落ちないなあなんて嘆きながらぼくはここで感情のままに執筆している。ピンクで囲まれた薄暗いワンルームで悪く早まる鼓動と震える手つきで咽び泣きなく

          情けなく助けを求めたまま

          新しい環境で辛いあなたへ

          新学期、新生活。その他も新しい環境で何かを始めた方も多くいるであろうこの季節。 みなさん、いかがお過ごしでしょうか。 不安だったけど案外楽しい!とかずっと楽しみにしてたけどいざ始まると楽しくなかった、とか それぞれいろいろな気持ちがあると思います。 新しい環境の今が楽しい方は、今の素敵な環境や気持ちがこれからも続いていくことを願っています。挫折した時や不安に打ち勝てない日が来たら、是非私のnoteをちょっとした心の支えにしてもらえればなと思っています。 本題ですが、今、

          新しい環境で辛いあなたへ

          新しい季節も、きみの傍で。

          新しい季節、春。ぼくにはじまりなんて存在しないのに、春になって咲き誇る花々を見てこの花々も時間と共に散りゆくと思うとなんだかやるせない気持ちになる。 新しいはじまりに涙を流すほど不安がっているきみが、どうかひかりに導きだされるように願いながら文書をかくぼくは、繊細なんて一言で片付けられないほどに脆くてやわらかいきみのことをこの文章を通して、きみの傍で、遠いようで近いこの距離で、見守っています。泣かないでなんて言わないから、甘くてかわいくてとろけるような毎日を一緒に過ごしてい

          新しい季節も、きみの傍で。

          痛かった

          ぼくはここにいて、愛も情けない期待も膨大な不安もぼくの全ては誰かに奪われて、ぼくの感情なんてここには無くなってしまった。 痛かったよ。全てが痛くてたまらなかったよ。きみの偽愛もぼくは本物と思って大切に愛でていたし全てきみのための人生だったと本気で思っていたんだよ。侮られてぼくの内臓が蝕まれて悔しくて悲しくて。ぼくはどうしたら報われるのか分からないまま、ヤケになって自分を傷つけて魔法を飲み、相手がどんな人かも分からないまま依存して生きて、また始めに戻ってしまうのだ。 汚い言葉

          生まれ変わっても好きでいる

          寒波が続くなか、すこしせっかちなきみは早まって春が近づいていることを思い出し憂鬱な気分になってしまった。 春になって鮮やかに咲き誇る花々を見て複雑な気持ちになった。春に咲き誇る花々は風に揺られて時に雨に覆い被せられ苦しいのか、それさえも鮮やかな養分として蓄えているのか。少なからず絶え間なく続く嵐に耐える日もあるでしょう。だけど人々の記憶に彩りをのこし綺麗、素敵と呟かれる花々は、陽春が過ぎれば散り呆気なく忘れられてしまう。生まれて人生に一度だけ一生分の絶頂を過ごす花々をみて、

          生まれ変わっても好きでいる

          愛の続き

          ぼくの視線の先には、俯くきみの顔。きみは怒ってそっぽを向いた。ぼくはきみの全てが愛おしくなってもう一度顔をのぞきこんだ。そしたら今度は頬を赤らめて呆れたように笑うきみ。安心して涙が出た。ぼくだけに向けてくれるきみの笑顔。その笑顔にはその都度いくつもの感情が存在していて愛おしい。悲しく涙を流すきみとその感情に揺さぶられて涙を流すぼく。ぼくがきみの涙を受け止める時にはぼくまで泣いてしまってきみが頭を撫でてくれるね。こんなありがちなエピソードでもぼくたちは頬を緩めることができる大切

          きみをひかりに導きだすから

          きみは夢の中で、遣うはずのない汚い言葉であの人を罵倒した。「生きててえらいわけがないけれど、ぼくが生きていてきみが生きているこの世界線は愛すべき空間だよ。」そんな言葉をぼくにかけてくれたきみが愛おしくて、いちごのシャンプーの香りがするきみの髪をふわっと撫でた。キッチンの一角で手首から血を流して嗚咽混じりの涙声を漏らすきみが切なくて切なくて、ぼくまで涙が出そうになった。きみを救う術を殺しにかかるこんな世の中が憎いけれど、絶対に僕の手できみをひかりに導き出すから、大丈夫だよ。ぼく

          きみをひかりに導きだすから

          浅はかで愚かで馬鹿だ

          あの頃の記憶を掻き分けてここで息をしている。遠い昔になってしまったあの日の記憶で息が詰まる。きみが生きた数年は、誰かの承認欲求にまみれた言葉に殺され生身の身体がここに転がっている。きみは、生きててえらいだなんて浅はかで愚かで馬鹿な言葉だと言った。矢継ぎ早に息を吐き、記憶の中のもういないあの人をきみが遣うはずのない汚い言葉遣いで漫罵した。もう誰も好きになりたくないなんて泣いているきみは、情けない期待をして今日も生きてしまったと喚いた。だいすきだよと譫言を言ったきみの頬に一筋の涙

          浅はかで愚かで馬鹿だ

          死にたいと泣いたあの夜を超えて

          やり直せない人生を過ごしてきみが死んでしまったとしても、きみとぼくが生きた重たい数年間を自殺なんかじゃ済まさせないし採伐とした他殺を治安だとかいう一言で片付けないから安心してね。きみが苦しかった日々に終止符を打って安心して眠れる明日になろうね。みんなが思うことを同じように思えなくて不安だったあの日もきみが血まみれになって憎んだあのひとも明日にはきみのものになって安心できるから大丈夫だよ。もう苦しまなくていいんだよなんていうありふれた終わりの言葉できみを飾って、手に入らなかった

          死にたいと泣いたあの夜を超えて

          死にたいきみの隣でずっと

          新年に浮かれている街や人々に寂しさをおぼえてしまったたきみは、逃げるようにスマホのメモを開きフリック入力をした。そしたらキーボードまで浮かれ気分で悲しくなってしまった。 きみにとって新しい年の始まりである新年はとても憂鬱なものだと僕に昔、話してくれたことを憶えている。大晦日や年末はひとり死にたいきみを呑み込んでまで、師走だなんだと騒いでいるから、きみの感情は置いてけぼりでひとりぼっちで、寂しくて消えてしまいたくなるみたいだ。このまま一年が終わる前に、今が去年になる前に死んで

          死にたいきみの隣でずっと

          大晦日に死にたくなっちゃうわたしときみも絶対に来るいつかの日まであと少しだからきっと大丈夫、今日のよるもいつも通りの日常がきみのもとに戻ってきますように もうすぐひかりに手が届くよ

          大晦日に死にたくなっちゃうわたしときみも絶対に来るいつかの日まであと少しだからきっと大丈夫、今日のよるもいつも通りの日常がきみのもとに戻ってきますように もうすぐひかりに手が届くよ