死にたいきみの隣でずっと
新年に浮かれている街や人々に寂しさをおぼえてしまったたきみは、逃げるようにスマホのメモを開きフリック入力をした。そしたらキーボードまで浮かれ気分で悲しくなってしまった。
きみにとって新しい年の始まりである新年はとても憂鬱なものだと僕に昔、話してくれたことを憶えている。大晦日や年末はひとり死にたいきみを呑み込んでまで、師走だなんだと騒いでいるから、きみの感情は置いてけぼりでひとりぼっちで、寂しくて消えてしまいたくなるみたいだ。このまま一年が終わる前に、今が去年になる前に死んでしまおうとするきみがやけに小さくみえて切ない。つよい風になびく髪が頬にあたり、きみの影は刹那的な影へと変わった。年が明ける瞬間、きっと世間が色めきだっている頃もきみは空を飛びたいとぼくの隣で泣いていた。年末年始はきみがいなくなってしまいそうでぼくはずっと鼓動が不安定だよ。ねえ、ずっと一緒にいようね。ぼくときみは永遠だよ。
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