甘い水
珍しく本を読んだので、その本の中で心に残ったこと、というか共感したことを書いていこうと思う
ちなみに読書は本当にしない方で、なぜ本を読もうと思ったかというと、家に図書カードが眠っていたことと、最近の自分がつぶやく言葉や考えがあまりに稚拙で思考停止しているので、何かが変わるきっかけになれば良いなと思ったから
自分以外にもこの感覚を持っている人がいたことが嬉しい
私も同じで、あまりに素晴らしい音楽や漫画やアニメに出会ったとき、その素晴らしさに没頭するけれど、その後エネルギー切れになって、しばらく沈む
それは、決してマイナスなことではなく、得るものや感化されることが多すぎて、自分の中でキャパオーバーが起きていることが原因なのだと思う
これからはこんな風に生きていきたい、周りの人たちにこういう接し方をしたいとか影響されて、考え方すべてを取り込みたくなる
そして、こんなに素晴らしいものに出会えて自分は幸福だと思うと同時に、どうしてここに至るまで気づかなかった、触れなかったのだろう、と後悔する
もっと早く知っていれば、あの時の自分の選択や生き方が変わっていたかもしれない、って
変わるわけないのに、そう思ってしまう
自分以外にもこの感覚を持っている人がいたことが嬉しい(その2)
何かを読む、見る前に、全てを知りたいと思う人間はどうやら少数派らしい
読んでいた本や、見ていたアニメ、だいたいわたしは序盤の方でネタバレを検索したり、最後の章から読んだりしてしまう
結末を知っていると安心するし、あの結末だからここはこういう表現なのか、と伏線にも気づける
ちなみにこれは私だけかもしれないが、よく本やアニメを途中で辞めてしまう
終わっちゃうとつまらないから
完結はさせたくないけど、結末は気になる、だから調べて、肝心の本体はずっと保留のままだ
そういう作品、両手じゃ収まりきらないくらいあるんじゃないか、、、
ネタバレとか、昔の人は見れなかったのだから、検索して情報を得られる世代の人間ならではの楽しみ方だと思っている
このエッセイの作者と行動の原理は少し違うけれど、同じ行動をしている人がいて安心した
これは社会人になってからよく考えていること
普段は普通の顔して人間やってるが、いきなり私がここで服を脱いで上司に殴り掛かったらどうなるんだろう、、、とか妄想しがち
失うものがない人間しかできないけど
逆にいうと、失うものがない人間はなんでもできるのだろうか
いや、仮に私がそうなったとしても、路上で服を脱いでその足でコンビニに行ってナイフを振り回しながら大声で君が代を歌うかと言われたら、多分しない
じゃあ、自分の中の何が理性を司っているんだろうね
失うものがない、いわゆる「無敵の人間」になっても私は理性を持ち続けてしまうのだろう
なぜ私は人を殺さないのか、モノを盗まないのか、法律で定められているから?そんなもんじゃない
人間のこころの中には、元来誰しも理由なき善意が渦巻いている、ただそれだけな気がする
理由なき善意のもと、人間だけに共通するルール、それを守るために存在するものが理性なのではないか、なんて少し考えた
カントっぽいね
ただ、日常の中で小さく理性を失う瞬間はたくさんある
作者が、不機嫌は典型的なそれだと言っていた
自分の親しいひと(たとえば、恋人や親)にだけ、不機嫌を見せてしまう、みたいな
わかる〜、と思いつつその次の行に「不機嫌になったりして、人を少しだけ傷つける行為には、ニコチンのようなものが含まれている気がする」と書いてあった
わかりたくないがわかりすぎてしまう
あとで大後悔するってわかっているのにね
なんだか本当に自分の考えていることと重なりすぎてびっくりした
この本を読んだことで、自分の葛藤や日々感じていることは、意外と周りの人も感じているし悩んでいるのかもしれないと知れたことが良かった
ただ、やはり作者も私も世間一般でいう「繊細」に近い部類の人間であるという自覚はあって、その自覚がなんだか気恥ずかしい
(作者も触れていた)
大人になるまでは、繊細であることを恥だなんて感じずに生きてこられた
なんなら、これが私という人間である!と言い切れるくらいの威勢(?)まであった気がする
だけど、こういう性格は、ふつうの社会人として生きていくのには不適すぎる
なんとか気にしすぎないように、傷つきすぎないように、心を麻痺させながら日々を生きている
たまに我に帰って、ずっと抑圧し続けていた、傷ついたこと、理不尽だと思ったこと、自分という人間、について悶々と考えを巡らせていると、やはりこの姿が本来の自分なのだとしっくりくる
生きるとは、飯食って風呂入って寝て、その日を死なずに終わらせることにすぎないとは頭ではわかっているが、色々考えすぎてしまう人たちが少しでも生きやすい世界になってほしいと願う
読んでいる間は、神はサイコロを振らないの甘い水をずっと聴いていたのでタイトルにしてみた
なんだか、この本と似ている気がしたから
ほらね
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