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心を忘れるほどの幸福を

ヨルシカの新曲「左右盲」がかなりドンピシャで好きだった
元ネタはオスカー・ワイルドの幸福な王子

一つでいい
散らぬ牡丹の一つでいい
君の胸を打て
涙も忘れるほどの幸福を
少しでいいんだ
今日の小雨が止むための太陽を

散らぬ牡丹はきっと君で、そこに在るだけで意味を持つ、みたいな感じなのかな
藍二乗で「人生の価値は終わり方だから」と歌っていたヨルシカが、生きている今に対して価値を見出しているのは新しいと思った

どんな存在であっても自分が君の胸を打つ一つでありたい、幸福を教えてあげたい、という主人公の深い愛情
でもそれって受け取る側からしたら、時に重くてプレッシャーに感じてしまうこともあるんだよな
自分の幸福は決して他人に揺るがされるようなものじゃないのに、と思ってその想いに応えられない辛さを感じてしまったり

ナブナさんのコメントには「男女の普遍的な恋の終わり」とあったのでそういうすれ違いを描いた歌なのかなと思った

少しでいい
君の世界に少しでいい僕の靴跡を
わかるだろうか、君の幸福は
一つじゃないんだ

歌詞全部好きだったけど、ここが特に好きだったな
前も書いた気がするけどわたしは自分の存在が誰かの記憶に残ることほど幸福なことはないと思っているので、、、

人間の不完全な記憶の中で自分が生きていられる、それが本当に本当に、わたしの中では最上の幸福で、きっとそれはこれからもずっと変わらないのだろう

誰かの記憶になりたいと思ってここまでずっと生きてきた、それが叶わないなら消えてしまいたいと思うほどに
きっと主人公も同じなのかもね
君の記憶に残りたい、たとえ離れてしまっても
離れてしまったからこそ、君の幸福は一つじゃないんだって言えるようになったんだろうね

何を食べても味がしないんだ
身体が消えてしまったようだ
貴方の心と 私の心が
ずっと一つだと思ってたんだ

君の表情も仕草も香りもどんどん曖昧になってしまう
その様子を左右盲という言葉で表現してるのかな
心がずっと一つだと思っていた主人公
個人的に心が一つになることは絶対にないと思っているタイプなので、ちょっとここは難しかった
あまりに個人的な解釈はしたくないので何も語らないことにする

自分の中で嘘月以来のヒットだったなあ
たくさん聴こう

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