JaSST'24 Tokyoに同僚と参加してきた
JaSST'24 Tokyoに同僚と参加したので参加ブログを書いておく。
飛行機の時間の都合で、長尾さんの話をきけなかったけど、1日目の基調講演を聞いた時点で参加して良かったって思えた。同僚と参加したのでランチでワイワイ対話して次にやってみたい実験の話もできたり、ブロッコリーさんや井芹さんから直接アドバイスをもらえたり、前職の同僚に会えて近況を聞けたり、とても楽しかった。
1日目
Tangible software quality
Gojkoさんの基調講演。「ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア」の輪読会をしてるのでとても楽しみにしていた。
「ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア」の1つ目のアイデアを知り、一度開発チームで期待する品質と指標を可視化してみたが、Gojkoさんの想定していた一部分でしかなかったし、順番も違っていた。
品質の周りには意思決定や不確実性の低減、行動があることを俯瞰してイメージすることができた。測定しやすい品質に飛びつかず、行動につながっていないなら品質の可視化について見直してみよう。
またGojkoさんは測定できることを重視していると感じた。スコアをつけてなかったらテストしたことにはならない、練習しているだけ。品質の透明性を担保するために大事にしたい考え方だと思った。
また紹介されていたQUPER modelは知っているのと知らないのとでは、開発チームの決定力が変わってくると思った。「どこまで求めるかが難しい」と誰かが言って議論が進まなくなることがあるが、市場で通用するか、競合に勝てるか、顧客に求められてないレベルを超えてないかという物差しがあると、対話しやすくなりそうだ。
品質ピラミッドについても言及されていた。たしかにUSABLE、USEFUL、SUCCESSFULはリリースしてみないとわからないよなぁ、だからこそ早くリリースしたい。そしてSUCCESSFULは利用者にとっての成功ではなく自分たちにとっての成功だったんだな。特に後者は本を読んだ時点では正しく理解できてなかったことに気づいた。
User Story Hamburgerの話はまだ理解が追いついてないので、勉強しなきゃ。
チーム単位で保守性を高める:独自指標と向上にむけた実践
CTO主導で管理する品質を定義し、チームごとに独自の指標を決めた話を聞けた。管理する品質はチーム横断で共通化するけど、それを測定するための指標をチームごとで決めるというのは、チームの自律性を保ちつつチームや製品の透明性を高め検査可能にできそうな素敵な進め方だと思った。
最速思考でバクラク品質を!スタートアップのリアルな課題とQAの実践
バグがないから高品質ということにはならないわけで、それは1つの品質でありそれ以上でも以下でもないことを忘れないようにしたい。
QAエンジニアの〇〇UP!キャリア解剖で見える今どきの成長軸とは?
プロジェクトの中で何を学ぶかを相談するのは、たしかに実体験でも頷ける話だった。スプリントごとに、インクリメントのゴールに加えてみんなで学びのゴールを立てると、業務への還元を早く体感できるから。
究極の目標の阻害要因を解消して、豊かな共同体を作り上げる力についての話を聞いて、ダブルループ学習をイメージした。そしてやはりマネージャーの学ぶこと、やることがとてもたくさんあるなぁ。たしかにマネージャーは本当にいろんなことをやっていると思うとともに、プレイヤーでもできるだけたくさん学んで、チームみんなでなんとかするんや!ってスタンスでいたいと思った。
AI搭載プロダクトの品質保証の現在地点とこれから
どうAIの精度を測るかという問いについて、AIの外し方が嫌な外し方をしてないか、精度向上の先で実現したいゴールは何かと石川さんが話していて、有識者の方は共通して品質の周りにあるものにも焦点を当てているなぁと思った。また当日のAI搭載プロダクトを扱っている聴講者が思いのほか多くて驚いた。
トークセッション「JaSSTのはじまりとテストのこれから ~にしさんへの感謝を込めて
にしさんと直接話したことはなかったが、にしさんのいる会に参加したことがあったり、資料や講演動画などは拝聴したこともあり存じていた。にしさんの功績について資料と講演陣のエピソード交えて聞けて、改めて信じられない活動力だと思うとともに、今読んでいるFEARLESS CHANGEのチェンジエージェントが頭に浮かんだ。
JaSSTに参加して得た知見も熱量も出会った人もいるので、がんばろうという気持ちになった。
2日目
「価値あるソフトウェア」の”価値”ってなぁに?
この話も今とても興味ある話題だったので、聞けて嬉しかった。そしてそれが資料にとてもわかりやすくまとまっていたので公開されたら開発チームのみんなで読みたいと思った。提供価値 → 製品価値 → 顧客価値 という繋がりについて知れて本当によかった。自分が顧客価値ばかり気にしていたことにハッとした。顧客への価値提供は大事だけどそれがゴールではなくて、ゴールは組織のパーパスに基づいて社会に影響することで、そのために製品を作って社会に提供して、得た反応から想定通りに影響できているかを検査して行動する ということなのかなと思った。講演後に永田さんは、だからと言って最初から提供価値や製品価値を定義しすぎなくてよくて、インセプションデッキの問いの粒度で大枠を定義してリリースしてフィードバックサイクルを回しながら少しずつアップデートする方がいい とありがたいフィードバックをくれた。
スタートアップのQA採用戦略
採用募集前に、まず何を実現したいかからブレイクダウンしてみようと思った。
ずっとアトラクト。たしかにログラス社のブログを読んだり、10X社の10X.fmなどを聞いてると、いろんないいところが見えてくるし素敵な会社だなぁと思ったりするので、ふむふむと頷けた。
サイボウズのQAエンジニア育成
身につけるスキルをマインドマップで可視化するのは、たしかにテキストよりもイメージが合わさってオンボーディング中に念頭に置きやすそうなので参考にしたいと思った。またオンボーディングが半年あるというのは驚いた。
UIからの自動テスト事例2選
UIレベルの自動テストには始まる山と継続する山の2つがあるので、初期構築をいかに素早くできるか、テストをリファクタリングできるかが大事 という話を聞いた。
テストを安定化するためにテスト対象のコードを変えた事例の紹介があり、開発とテストの融合ができるチームは強いんだろうなぁと思った。
さいごに
とても楽しい2日間でした!関係者の皆さまありがとうございました。次は自社メンバー3,4人で一緒に参加してもっとワイワイしたいな。