見田宗介(真木悠介)
『現代社会の存立構造』
マルクスの枠組に独自の解釈を与えながら
「社会秩序はいかにして可能か」を考える
貨幣のような一般的な価値形態がいかにして成立するか
という問いを中心に据えた近代社会論
集合態(ゲゼルシャフト)
諸個人がそれぞれ独立・分散し、分権的に活動している状態
集合態の場合、諸個人の成果を交換し、繋ぐ媒介が必要に
道具的対象たる媒介は、諸個人間の任意の関係(交換)を可能にする普遍的なものとして成立した場合、
それ自身が内在的な価値を持ち、諸々の対象・活動を基礎づけることができるかのように見えてくる
物神化
媒介が、それ自身の普遍性ゆえに主体化、
他の諸物に価値を与える普遍的な価値として成立
物神化現象は、経済形態のみならず、組織形態、意識形態の水準でも生じる
問題点
見田は社会的に共有された一般的な価値が成立するメカニズムの解明を目指した
しかし、何物かが普遍的な媒介として社会的に承認されているとき、
すでに社会的な規範が成立している
→パーソンズと同様、「循環の構図」を説明しきれていない