詩| 誰に乞う
たった一つの願いですら聞き入れられないというのなら
もういっそのこと
何も願わず
何も求めず
ただ流されるまま呼吸をして
抗うこともなく
ろうそくが尽きるのを待とう
時計の針が進むように
ろうそくの芯は燃える
代わりの言葉は何だった?
明日へ繋ぐあの言葉は
疲れた体へそっと触れて
誰も抱きしめてくれなくても
この両の手がある
心と体は別だから
たった一つの願いですら受け入れられないというのなら
何に希望を求めよう
明日へ繋がるあの言葉だけが私を生かすというのなら
それだけでいいのかも
ろうそくは燃える
時は過ぎる
変わらないものはない
だから願う
…誰に、願う?
たった一つの、願いを。