詩| 秘匿
飾り立てた空が 一瞬にして消える時
閉じた瞼の裏を 一瞬で白に染めあげる
遠い果てに記憶を置き去りにしたまま
明日もきっと歩けるとごまかすように
そっと 意識を手放した
罵声を浴びたあの日の痛みを
いまだ忘れられずに
逃げたくて逃げたくて
割れた硝子といっしょに 真っ赤な箱に閉じ込めた
遠い場所で 声が聞こえる
自由になる日はどこにもない
抗って抗ってどこまで行けるんだろう
忘れられない記憶の手帳を携えたままで
飾り立てた空が 牙をむくように
閉じた瞼の裏で 張り裂ける声を聞いた
抗って抗って どこまで行けるんだろう
知りたくもなかった事実を隠したままで