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【感情紀行記】月曜日のブルジョワジー

 人と付き合って、色々なことを二人で行動するようになって以来、したいことや、やりたいことが増えた。インターネットなど、色々な媒体で行きたいところや食べたいもの、見てみたいものを探し、行くようになった。

 時間がある時は良いのだが、お互いに忙しく、毎週丸一日を確保するのは容易ではない。しかし、学生の特権とも言える、早く学校が終わる日などに夕方だけ会う、ということもできる。もちろん、毎週というわけにはいかないが、多くの頻度で開催できている。今期は履修などの関係上、その曜日は月曜日である。夕方といっても平日であるし、そんなに長くは時間を取れないわけで、夜ご飯を食べることとなっている。そもそも、あまり外食が好きな方ではないのだけれども、外食をするとなると色々と食べたいものや、美味しそうなものに目がつく。最近はとにかく美味しそうなものを探し、食べている。

 今まで、美味しいカレーやうどん、スイーツなどを食べてきた。月曜日の美食探検隊は、止まることを知らない。美味しいご飯を食べることほど幸せなことはない。そしてなんといっても、美味しそうにご飯を頬張る人を眺めるのは幸せである。そして、何をするわけでもなく、くだらない話をしているだけで楽しいというのは素晴らしいことだと、文字通り痛感する。また、そういう情報を集めていると、雰囲気の良い場所も見つかる。穴場的なスポットであったりとか、景色の良い場所であったり、色々と素晴らしい場所を発見することができる。一人で歩いていたり、行動したりしていては絶対に見つけられなかった場所や、一人では入るのが気後れするようなところなどにチャレンジできている。そして、そういった場所を見つけようとする新たな視点が増えた。 

 少し前に行ったところは、水辺のカフェであった。おしゃれに飾り付けられた電飾や素敵な花などが良い雰囲気を醸し出していた。人も少なかったのだが、おそらく月曜日の夜からそういうところに来ている人はいないのだろう。そのおしゃれな雰囲気を支える、キラキラと光を乱反射する水面には、ビルの中のプロレタリアート達が放つ電気の灯りと、彼ら彼女らが使う、青白い電気を内包する電車が映っていた。それを見て、コーヒーとスイーツを食べ、ゆったりとした楽しい時間を過ごした我々は、ブルジョワジーである。

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