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最近「仮面ライダーガッチャード」が面白いというおはなし

2023/12/18 更新分

最近のニチアサ作品は毎年面白い作品が多く、年中豊作で個人的にはとても楽しい。
去年の「ドンブラザーズ」「ギーツ」はもちろん、今放送中の「キングオージャー」もバチっとカッコ良くてエモいものをお出ししてくれるので毎週日曜が楽しみで仕方ない。
そんなエブリデイ神作品を提供してくれるニチアサなのだが、その中で最近とりわけ面白いのが「仮面ライダーガッチャード」だ。

最近のガッチャードが毎週「最近のライダーらしさ」とは違う方向で面白さを更新してくるのだ。

ただガッチャード4話くらいまでの初見時の感想は正直不安でいっぱいだった。

普通の高校生が主人公という今時珍しくもない設定、101体の人工生命体「ケミー」を集める話というのも、アイテム集めという意味では平成ライダーで何度も擦られてきた鉄板ネタだし、
それに錬金術で戦う描写もそこはかとなくチープだ。
今回の怪人はケミーが人間に取り込まれる形で登場するのだが、
「ケミーは人間の悪意に引き寄せられる」という設定のためか、怪人になる人間が結構洒落にならんくらい極悪人ばかりで物語の舞台の治安がガチで終わってる。
何より主人公の宝太郎がなんか魅力的じゃないのだ。
何かにつけてとってつけたかのように「ガッチャ!」「ガッチャ!!」とうるさいし、自分が仮面ライダーであることに使命を感じる描写がなんか薄いし、挙げ句の果てに「全てのケミーと友だちになる」という目標もなんか突然無から生えてきてるしでイマイチ宝太郎の感情にノれない。
「今年はダメかも」と見切りをつけようかなとこの時点で思った。

それが5話くらいから徐々に面白くなってくる。

廃業寸前のプロレスジムのオーナーがプロレスラーのケミーと夢のためにガッチャードと奇跡のタッグマッチをする5話。
宝太郎のライバル「黒鉄スパナ」をライバル視するクッソ濃ゆ〜いキャラ「鉛崎ボルト」が兎角賑やかな第6話。
エリート小学生とサボテンのケミーの友情を描いた7、8話。
楽しい京都旅行と友達の加治木の恋愛回の9と10話。

回を重ねるごとに段々と
宝太郎たち錬金アカデミーの面々のケミー集めを通した楽しい日常、
仲間やケミーのためにどこまでもまっすぐに頑張る宝太郎の姿が描かれていく。
映像も脚本もどこかトンチキだけれど「特撮ヒーロー」としての王道は外さない。
宝太郎のキャラクター性など最初は短所だと思ってた点が回を経るにつれてそれがむしろ魅力に昇華されていき、この作品独自の面白さに変わっている。
そんなところにだんだんと「ガッチャード」の味を感じられるようになった。

そのタイミングでの11、12話で日常が崩れる。

仲間のひとり「錆丸」が敵の手に堕ちてしまうのだ。
敵の幹部が本格的に宝太郎たちに立ち塞がりそこで初めて大敗を喫する。
いつものライダー作品だと大体誰かしら死人が出て、それをきっかけにシリアスに重い方向に物語が展開されるのが常なのだが、
この時の「ガッチャード」のシリアス展開への落ち具合が「仲間を取り戻す」程度に落ち着いてるのがバランス感覚がちょうどいい。
この作品の魅力は楽しい日常と宝太郎の真っ直ぐさ等から構成される明るさなのだから。

そして13話で見事錆丸をパワーアップした姿「スーパーガッチャード」の力で救い出すのだが、その時のロジックが仲間とケミーの協力のおかげというのがいい。
(もっというと本来人間に従わないはずのケミーが宝太郎と仲間になったっから力を貸してくれたという理屈なのがいい)

ガッチャードは錬金アカデミーやケミーの友だちと共にどこまでも真っ直ぐに「ヒーロー」として戦う一ノ瀬宝太郎の王道な物語としてここで確立したように思う。
最初は不安に感じてたがここまで観た頃にはすっかり「ガッチャード」の魅力に夢中になってしまっていた。

あとBACK-ONが歌う主題歌「CHEMYxSTORY」がいいよね.。
作品の王道でまっすぐな雰囲気にまさにベストマッチだ。


荒いんだけれど、でも明るくまっすぐ。
まるで昭和の駄菓子屋みたいな味わいの作品だ。
現在15話まで放送され、今週末に劇場版公開、次の16話から何やら大きく話が動き出しそうな兆しも見せていき、これからますます盛り上がること間違いなしの「仮面ライダーガッチャード」。
個人的今イチオシの作品なので是非見てくれると嬉しい。
1話と2話はYouTubeでも見れるぞ!


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