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世界の株式市場の盛衰
2024年に入り、新NISAも始まりました。
これまで、NISA関連でいくつかご紹介しています。
今日は、世界の株式市場の盛衰です。
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現在の世界の株式市場
2022年末の段階で、米国は世界の株式市場の58.4%を占めています。
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次に株式市場が大きいのは日本で、世界市場の6.3%です。
1989年の一時期、高度経済成長を受け、日経平均株価が史上最高値を更新し、米国を追い抜きました。しかし、その後の暴落と「失われた数十年」を経て、日本の株式市場が同じ高値を回復するまでに33年かかりました。
一方、中国は世界第2位の経済大国ですが、世界の株式市場シェアのわずか3.7%と、工業とは異なり、金融ではその存在感はまだまだ低いと言っていいようです。
栄枯盛衰
株式市場は何世紀にもわたって存在してきました。
ニューヨーク証券取引所の開設は1792年ですが、アムステルダムの株式市場の歴史は1602年まで遡ります。
1700年代半ば、金融活動や貿易が盛んになるにつれ、ロンドンはアムステルダムを抜いて金融市場のリーダー的存在となりました。ロンドンにオフィスを構える企業が増え、あわせて重要な取引がロンドンで行われるようになっていきました。
約200年後、世界的な金融センターとしてのロンドンの役割は、第二次世界大戦後、戦争による経済危機によりニューヨークに取って代わられました。
アメリカの台頭は、連邦準備制度理事会(FRB)の信頼性の高まりに支えられた一方、イングランド銀行の世界的な地位は、ポンド安によって低下しました。
次に成長する市場は?
これまでアメリカの株式市場は他の追随を許していません。
基軸通貨としてのドルの地位が、金融市場の厚みとともに中心的な役割を果たしています。経済力、政治力、軍事力も重要な要素でしょう。
また、1900年以降、アメリカの株式市場のリターンはほぼすべての国を上回っており、国内外の投資家を引き寄せています。
アメリカ一強の時代も「衰退」していくと決まり文句のように言われるようになっています。
歴史上、国は栄枯盛衰を繰り返します。19世紀初頭、英国の公的債務は1918年のGDP比109%から、1934年には約200%まで急増しました。この頃に、GDPはアメリカ、ドイツ、ソ連に順次抜かれていきました。
アメリカと当時のイギリスには多くの違いがあるものの、軍事力、公的債務、経済的優位性のバランスが、金融大国の盛衰における重要な変数であったことを歴史は示唆しています。
当面はアメリカの時代が続く形でしょうか。
私はもう少しS&P500を中心に投資していこうかと思っています。