任意のきのこ
買い物という行為を能動的に楽しめるときと楽しめないときがあって、夕飯のための買い物なんかはだいたい後者に当てはまる。そこで家族(大)の仕事の帰りに買い物を頼むのだが、量まで指定しないといけないことが若干のストレスになっている。
要は「ちっめんどくせーな。量なんかてめーがその場で考えていい感じに買ってこいよ」という思いが根底にあるのだ。買ってきてもらう立場でさすがにそこまで暴君のようなことは言えないので、いちいち量を指定していく。一番めんどくさいのは肉類だ。
例えば豚バラ買ってきて、と頼むと、何グラム?と聞かれる。なんぐらむかとかこっちかて分からんわ!と思って、当初はたいそうイライラしていたのだが、最近は大体グラム数が分かってきた。ちなみに鶏胸肉なら何枚で指定する。鶏手羽元は家族(大)の好物なので「いっぱい」でいい。なんじゃそりゃ。
そしてなぜかきのこだけは量の指定も種類の指定も曖昧でいいらしい。だからいつもきのこについては「任意のきのこ」と書く。それだけで家族(大)は、そのとき安く売られてるキノコとか、自分が食べたいキノコを適当に買ってきてくれる。
もうすべて「任意の肉」「任意の野菜」とかにしたいけれども最後の良心がそれを許さない。
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