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ビタミンB1


ビタミンB1って何?

・別名チアミン
・体内のエネルギー産生、特に糖代謝に関わるピルビン酸脱水素酵素の滑石はビタミンB1に依存している。糖質がエネルギーに変換される時に主に使われる。
神経機能の保持にも重要。
体内で貯蔵できないのに代謝が早いため、継続的な補充が必要。
・豚肉、牛肉、うなぎ、玄米、カシューナッツ
などに多く含まれる。高温に弱く、調理方法によっては分解されてしまうこともある。

ビタミンB1の不足

・厚生労働省の食事摂取基準では、成人男性で1.2~1.4mg/day、成人女性で0.9~1.1mg/dayの摂取が推奨されている。
・ビタミンB1を含まない食事を続けると、2週間以内に体内のビタミンB1が枯渇する。
・ビタミンB1欠乏症は、慢性的にアルコール摂取のある人の約80%でみられる。アルコール摂取がない人でも発症の可能性は充分にある。
・アルコール以外のビタミンB1欠乏のリスクファクターとして、吸収低下・排泄促進(下痢・利尿薬・悪阻・透析・腎障害)、消費の増加(甲状腺機能亢進・感染・リフィーディング症候群・悪性腫瘍・激しい運動)、その他(高齢者・熱傷・妊娠・HIV・糖尿病)がある。
・アルコール摂取がない場合のビタミンB1欠乏の症状として、2~3週間で拒食・しびれ・消化不良・イライラ・うつ6~8週間で血圧低下・体重減少2~3ヶ月で記憶障害・混乱・運動失調・嘔気がある。
・ビタミンB1欠乏症としては脚気が有名(次項に記載)。

脚気

dry beriberi
 脚気による末梢神経中枢神経の障害。
 感覚異常・疲労感・意識障害・下肢脱力など。
 ウェルニッケ脳症が有名。3徴(錯乱・運動失調・眼筋麻痺)が特徴だが、すべてが揃うことは稀。
wet beriberi
 脚気による心筋の障害。
 呼吸苦・浮腫・不穏など。
 脚気心が有名。ビタミンB1欠乏により細胞内ATPが枯渇し、内因性アデノシンが細胞外に放出される。その結果、末梢血管の拡張が起こる。初期は右心不全が主体だが、高度の両心不全や代謝性アシドーシスに進展する。
gastrointestinal beriberi
 脚気による腸管の障害。
 食欲不振・体重減少・嘔気・下痢・便秘など。
 腹部の自発痛と血清乳酸値の上昇を認める。

(矢吹拓(2023)『症例から学ぶ 栄養素欠乏』南山堂)

〈考察〉

● 医療用としては、フルスルチアミンがあるが、添付文書上、漫然投与しないこととなっているため、
定期的に症状などの評価が必要?

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