ビタミンB12
ビタミンB12って何?
・別名コバラミン。医療用として用いられるメコバラミンは、コバラミンの形態の1種。
・DNA合成に関わったり、肝臓に貯蔵されたりする。
ビタミンB12の不足
・ビタミンB12が含まれている食品は多いので、通常、バランスよく食事をしていれば不足することはない。肉類、魚介類(海苔・貝類)には特に多く含まれる。
・不足の原因とリスク因子
① 摂取不足:高齢者・アルコール摂取・ベジタリアン
② 食べ物からのビタミンB12の遊離障害による胃酸分泌抑制:萎縮性胃炎・1年以上のPPIの投与・1年以上のH2 Blockerの投与
③ 内因子の欠乏:萎縮性胃炎・悪性貧血・胃切除後症候群
④ 膵プロテアーゼの不足・減少、膵不全、Zollinger–Ellison症候群
⑤ 小腸での吸収障害:広節裂頭条虫感染症
⑥ 回腸での吸収障害:クローン病
⑦ 血漿中の輸送障害:先天性トランスコバラミン欠損症・4ヶ月以上のメトホルミン投与
⑧ 代謝障害:亜酸化窒素吸入によるビタミンB12の機能的不活性化
・欠乏症の症状
年齢の割に白髪が目立つ(悪性貧血)
皮膚蒼白・黄疸・皮膚色素沈着
舌乳頭萎縮・ハンター舌炎・味覚障害
末梢四肢のしびれなどの神経障害
認知機能低下・せん妄・抑うつ・幻覚など精神障害 など
・不足は、動脈硬化進行、葉酸の不活性化による不妊症、感覚性ニューロパチーに関連する慢性咳嗽にも関わる。
(矢吹拓(2023)『症例から学ぶ 栄養素欠乏』南山堂)
〈考察〉
● 医療用としては、メコバラミンがあるが、添付文書上、漫然投与しないこととなっているため、
定期的に症状などの評価が必要?