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認知症患者の服薬介入

84歳男性。妻と二人暮らし。軽度アルツハイマー型認知症と診断さ れ、ドネペジル塩酸塩による治療を開始した。
(処方) ドネペジル塩酸塩錠 3 mg 1 回 1 錠( 1 日 1 錠)
                1 日 1 回 朝食後 14 日分
妻から「薬は夫が自分で管理しているが、飲んだはずの薬を再度飲んだり服薬を忘れる日があるようだ。」、「服薬後の食欲低下と腹痛、下痢がある。」と薬局に相談があった。また、認知症治療を続け、夫が薬を正しく使用しているか確認できるようにしたいとの要望があった。
患者の状態等や妻の要望を考慮して、かかりつけ医に提案する、ドネペジル塩酸塩錠から変更する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1 ドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠
2 ドネペジル塩酸塩経口ゼリー
3 ガランタミン錠
4 リバスチグミンテープ
5 メマンチン塩酸塩錠

第108回 薬剤師国家試験 問215

<考察>

 この問題では、剤形変更により患者のコンプライアンスを向上させることを目的としているよう。「飲み間違い・飲み忘れを改善する」だけであれば、PTPシート(一包化であれば1包1包)に日付を記入したり、ケースやお薬カレンダーを使用したりすることを提案できそう。

 しかし今回は、「家族が本人の服薬状況を確認できるようにする」ことも目的のひとつのため、テープ剤に変更することが良さそう(正答は4)。テープ剤でも、パッケージや、テープの貼付面ではない面にマジックで日付や貼付時刻を記入するのはあり。妻が記入するなど家族の介入があるとよりコンプライアンス向上につながりそう。
(家族が全てを行ってしまうと、本人が日付を思い出したり手を動かしたりする機会が減ってしまうため、認知症の進行が早くなるかもしれない。)

 「副作用?の食欲不振・腹痛・下痢」について、ドネペジルもリバスチグミンもアセチルコリンエステラーゼ阻害薬で、添付文書上はどちらも同じくらいの頻度の副作用として記載されている。成分や添加物に対する体質に個人差があるため、”薬を変えると効く人もいる”くらいに留め、国家試験の問題としては、積極的に選択肢を絞る要素にはなりにくいか。

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