鱧
名前は知っているけれど食べたことがない魚、私は鱧。骨が多い魚だということは知っている。白身魚で、骨切りをするとかいう魚。気になってはいたけれど、この辺りでは獲れないことと、お値段の高さに慄いて手を出せずにいた。
デパートの京都物産展で偶然鱧に出会った。湯引きのお寿司と焼いてタレをつけたお寿司がお行儀良く6貫並んでいた。お値段はいつも通りお高めだったけれど、私はもう社会人なので!という気持ちで1つ買い求めた。
ルンルンで家に帰り、晩御飯の時間までワクワクしていた。こんなにごはんの時間を待ち侘びるのはいつぶりだろうか?全く思い出せなくなってしまった。それだけつまらない大人になってしまったんだろうか。
ドキドキして湯引きのお寿司から食べた。思っていたよりもずっと美味しかった。本当に骨があるのかというほど柔らかく、舌触りが良かった。梅がよく合う。焼いたのは、鰻とか穴子とかそんな醤油味がしてあまり好みではなかった。あの味が得意ではないのだ。それでもいつもより美味しかった。
ああ、もう鱧がない。鱧もっと食べた買った。そう思える出会いが出来て良かった。