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「なぜ多くのお母さんたちに支持されるのか?」〜絵本『また あえるよ』発売記念インタビュー〜

すべての親子の成長と旅立ちを応援する、愛にあふれた絵本『また あえるよ』が2月15日に発売となります。本作は、韓国で多くの母親から支持されたベストセラー絵本です。
「なぜお母さんたちに支持されるのか?」その秘密を探るべく、それぞれお子さんがいらっしゃる翻訳者のわたなべなおこさんと、担当編集者の吉村さんにお話を聞きました!

「どんなときも、お母さんはあなたの1番の味方だよ」

――初めて『また あえるよ』を読んだとき、どのように感じましたか?

わたなべ: 絵本の前半で描かれる、小さな子どものお世話に明け暮れるおかあさんの様子というのが、慣れない子育てにあたふたしていた自分とそっくりで、じーんと心に響きました。後半は、いま当たり前のようにそばにいる子どもたちも、いつかは成長して巣立っていくのだなあと、ずっと先のことを想像して少しさびしい気持ちにもなりました。育ててくれた親のありがたさや、子どもと過ごせる今の幸せに気づかせてくれたような気がします。

吉村:涙が出ました。我が子はまだ小学生ですが、いつかこの絵本の子供のように巣立ってしまうのだろうという寂しさと、「どんなときも、お母さんはあなたの1番の味方だよ」という子供を応援し、愛する気持ちが入り混じり、涙になったのだと思います。
『また あえるよ』の親子が自分と我が子のように見え、母親の愛に強く共感しました。
そして、この絵本をいつか我が子が巣立つその時に贈りたいと思い、「ぜひ、日本で翻訳出版させてほしい」と、韓国の出版社にお願いしました。

――韓国でヒットしている絵本ですが、特徴的な現象は起きていますか?またどんな感想や声が聞かれますか?

わたなべ:韓国では、「涙が止まらない泣ける絵本」として大ヒットしています。Instagramで原書のタイトル(#우리는언제나다시만나)を検索すると、なんと5,000件以上もヒットするという人気ぶりですが、いちばん多いのはやはり「泣いた」という感想です。販売実績が10万部を超えたときには表紙絵の背景が星空になった記念版が出て、入園・入学のプレゼントとしても人気があるので、背景が桜になったピンク色の特装版も販売されています。

「#우리는언제나다시만나」で検索した様子

「いつでも帰ってこられる場所がある」というあたたかな余韻

――お二人にとって一番好きなフレーズや場面はありますか?

わたなべ: いちばん最後に、こどもが「おかあさん!」と玄関のドアを開けて入ってくる場面があるのですが、その姿はドアに隠れて見えません。そこに自由な想像の余地があって、子どもは塾帰りの高校生になっているかもしれないし、仕事帰りの社会人かもしれない。読者が自分や自分の子どもを投影できるようになっています。「いつでも帰ってこられる場所がある」というあたたかい余韻が残る素敵な場面だと思います。

『また あえるよ』より

吉村:後ろから2見開き目、子供が幼い頃の親子の何気ない日常シーン(4場面)が描かれているページが一番好きです。この何気ない日常が最高に幸せで、とても贅沢な時間だったのだなということを改めて教えてもらいました。
また、この場面で綴られている、「つかれて やすみたくなったら いつでも もどっておいでね。」というフレーズも好きです。きっと、世の中の多くの親が同じ気持ちを抱いているのではないでしょうか。子供への無償の愛を感じます。

『また あえるよ』より

「心のよりどころになる懐かしい日々」を思い出させてくれる絵本

――『また あえるよ』をどんな人に読んでもらいたいですか? 読者へのメッセージとあわせてお願いします!

わたなべ:子どもの読み物だと思わずに、大人のかたにも読んでもらえたら嬉しいです。いま子育てをしているおかあさんおとうさんたちはもちろん、世代を越えてあらゆる人に「心のよりどころになる懐かしい日々」を思い出させてくれる絵本だと思います。
日本の読者のみなさんも、心あたたまるイラストとやさしいことばをぜひ味わってみてください。

吉村:すべての親子に、読んでいただきたいです!
この絵本の親子と似たような感情を抱く場面が、きっとどの家庭でもあると思うんです。子供が親との分離不安を感じて泣いたり、逆に子供が泣かなくなって頼もしく感じたり、親よりも友達と過ごすことが多くなって、親の方が寂しく感じたり。
まだ産まれたての赤ちゃんを育てているお母さんも、子供が大きくなって最近は会話が少なくなった親子も、子供が一人暮らしを始めて家を出たご家庭でも、それぞれにこの絵本から感じるものがあると思います。
この絵本は韓国で、「ママたちの育児書」のように読まれていると聞いています。すべての親子の成長と旅立ちを応援し、心の支えとなってくれる絵本なので、ぜひ一人でも多くの方にお手に取っていただきたいです。


いま子育てに向き合っている方、かつて子育てをされていた方、そしてかつて子どもだった全ての人に贈る絵本です。贈りものにもぴったりな一冊です。ぜひお手に取ってお確かめください!


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