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名もなきケア|寄付キャンペーン応援メッセージvol7紫原明子さん

終了まであと10日となった寄付キャンペーン。12月20日まで、PIECESの事業を全国に広げる仲間、新たなPIECESメイト(マンスリーサポーター)を100名募っています。期間中、PIECESと様々な関わりがある皆さまからいただいた応援メッセージを順番に紹介しています。

今回の応援コメントは、スマートニュースのアトラスプログラムで出会い、インタビュー記事を書いてくださったことをきっかけにご一緒しているエッセイストの紫原明子さんからいただきました。紫原さんの紡ぐ言葉は愛に溢れていて、その愛の上に優しくもとても大切な問いを投げかけてくれる、いろんな方にみていただきたい言葉です。

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名もなきケア

「名もなき家事」の存在が知られるようになったのはここ数年のことです。

たとえば<ゴミを捨てる>は誰もが認める家事の一つですが、<ゴミ捨て後に、新しいゴミ袋をゴミ箱にセットする>こともまた、重要な家事の一つです。ところがこのワンアクションには明確な名前がついていないため、家族で家事を分担する際にもついその存在事態を忘れられがちです。そんな「名もなき家事」が、家庭の中ではもっぱら妻の負担となり、特に働く妻、働く母たちにとって、大きな負担になっていると言われています。

そしてこれは必ずしも家事に限ったことだけでなく、子育てにおいても同じことが起きていると私は思うんです。子どもが、今日も明日も安心して生きて、健やかに成長していくためには、ご飯を食べさせたり、勉強を教えたり、ぱっと思いつくそれら以外にも、必要なことが無数にあります。たとえば、子どもが学校に間に合うように起こしてあげること。「宿題やった?」と一言声をかけてあげること。お風呂に入れること。歯磨きのチェックをすること。頑張りを褒めてあげること。心細さに寄り添うこと。本当にたくさんあるのに、いかんせん、それらには名前がついていないのです。

だから、子どものお父さんやお母さんがどうしようもない事情で生きていくのに大変になったとき(これは誰にでも起こり得ることです)つい、この子どもに必要な「名もなきケア」は、後回しになったり、手薄になったりしてしまいます。

PIECESの取組がなぜ社会に必要かというと、子育てに欠かせないこの「名もなきケア」を、困難を抱えた親たちと一緒になって担ってくれるからです。実は私自身も、PIECESの活動を通してこの「名もなきケア」の重要性を認識し、そしていかにこのサポートが得られにくいかに気付かされました。

一見豊かに見えるこの日本で、ひとり親家庭における子どもの貧困率は約50%ともいわれ、苦しい環境に置かれている子どもは、決して少なくないのです。だからこそ、今よりもっと子育ての協力が得やすい社会になるといいと思います。そしてそのためにも、PIECESの取り組みがより多くの人に知られ、広まっていくことを、強く願っています。

◆ 紫原 明子 氏

エッセイスト。
個人ブログ『手の中で膨らむ』が話題となり執筆活動を本格化。『世界は一人の女を受け止められる』(SOLO)など多数媒体でエッセイを連載・寄稿。著書に『家族無計画』(朝日出版社)、『りこんのこども』(マガジンハウス)。

ブログ 「手の中で膨らむ」

紫原さんの紡ぐ言葉に触れられる媒体がいくつかあるのですが、その一部はこちら。是非ご覧ください。
【紫原明子のお悩み相談】子どもを感情的に叱ってしまいます。

虐待防止月間-cvなし

紫原さん、温かで愛のこもった応援メッセージをありがとうございました。子どもたちに必要な「名もなきケア」。核家族化が進み、地域につながりがない子どもや親が増えた中、遠回りにも見えるかもしれない私たちPIECESが行う市民性醸成プログラムをこれからも、全国に広げていきたいと思います。

そんなPIECESのプログラムの継続・発展のために必要なPIECESメイトを募る寄付キャンペーンも、終了までいよいよあと10日となりました。

来年以降も子どもたちの周りに信頼できる他者を増やす取り組みを継続・発展させていくために、ぜひPIECESメイトになって共に歩みを進めてくださいませんか?あなたの住むその地域にもこのプログラムを広げていけるよう、共に歩んでいけたら嬉しいです。

目標:100名
現在:14名(単発でのご寄付17名)
残り:10日

https://www.pieces.tokyo/campaign-stopchildabuse2020



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