町のパン屋さん
娘が赤ちゃんの頃から通っている近所のパン屋さん。
寡黙で口数の少ない店長とは、会釈をしたり、一言二言のやりとりをする関係性。
娘も大きくなってきて、だんだん子どもがいない時間に買い物をするようになったある日、久しぶりに小学生になった娘と一緒にパン屋さんへ。
穏やかな笑顔で迎えてくれる店長が、
「大きくなったなぁ。」とつぶやいたその一言が
なんだかとてつもなく温かった。
そこには、パン屋さんとお客さんだけではない、
地域のおじさんと子どもの関係性があった。
あぁ、気が付いてなかったけど、
こうやって私たち親子を見守ってくれている人たちがたくさんいるんだなぁ。
もっともっと、この町が好きになった。
このエピソードを紹介してくれたのはPIECESスタッフの矢部杏奈(あんさん)。あんさんがこのエピソードで出てくるパン屋さんの店主、娘さんとの関係性など、あんさんが感じた「市民性」をラジオにて話しています。よかったら聴いてみてくださいね。
人が人として、自分のことや誰かのことを大切に想う気持ちや願い、温かなまなざしや関わり、そしてそこから生まれるつながり。
そんなだれもが持つ「市民性」。
今この社会では、そこにあるはずのものが周りからも、自分でさえも見えにくく、気づかれにくくなっているのかもしれません。
私たちPIECESは、そんな「市民性」を照らし、育むことをしていきたいと思っています。
それこそが、孤立や分断へのやさしい処方箋になると信じて。