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「お気に入りの自分」でいる時間の増やしかた #PIECESの本棚
こんにちは!PIECESでは主に経理担当している、ふくしまと申します。
先日公開となった映画『マチネの終わりに』。映画では福山雅治さんと石田ゆり子さんが主演を務めたこともあって、話題になっているようですね。
『マチネの終わりに』は小説を映画化したものですが、その著者・平野啓一郎さんの著作『私とは何か―「個人」から「分人」へ』を今回はご紹介したいと思います。
『私とは何か―「個人」から「分人」へ』
この本を読んで思ったのは「あぁ、自分の中にもたくさん「分人」が居て、そのおかげで生きやすい時もあれば、苦しい時もあるのだろうなぁ」ということ。次節から少しずつ説明していきます。
「本当の自分」という幻想
簡単に言うと、この本で描かれる「分人」というのは、それぞれの人が内面に抱える複数のキャラクターで、このキャラクターは自分以外の他者に会った時などに無意識のうちにその相手に合わせて切り替わる、というもの(1キャラクター=1分人のイメージ)。
たとえば、バイキンマンの前では怠惰で高圧的なドキンちゃんが、憧れているしょくぱんまん(異なる相手)の前では恋する乙女そのものになってしまう、といった変化がわかりやすいかもしれません。そんな具合に相手次第で「私」というキャラクターが変わるというのがポイントで、誰しも1日を過ごす中で会う人に応じて頻繁に「分人」を使い分けているのが重要です。
ここで「自分の中にたくさん「分人」がいるのなら、その中のどれが「本当の自分」なのか?」という疑問を持たれる方もいるかもしれません(私もかつて「本当の自分」とは?という問いをずっと持っていたので、当時の自分なら同じ疑問を抱いたはず)。
分人はすべて、「本当の自分」である。
これが平野さんの出した結論です。つまり「本当の自分」という考えは幻想であって、自分の中にいるお気に入りの「分人」だったり、まだ出来上がっていない理想の「分人」のイメージを「本当の自分」と呼んでいるだけだ、と私は理解しました。
「お気に入りの自分」でいる時間の増やしかた
自分の中にはたくさんの「分人」がいて、その「分人」はコミュニケーションを取る相手に応じて(自動的に)切り替わります。だから、もし自分にとって心地良い時間を増やしたいのであれば、どんな人といる時の自分(分人)のことが自分は好きなのかを考えてみよう。そして、お気に入りの分人でいることのできる相手と多くの時間を過ごすように環境を変えていけば、今より自分に肯定的になって生きやすくなるはずですよ、というメッセージが随所に散りばめられています。
ですから、もし今の自分があまりお気に入りではない場合は、一番気に入っている「分人」で居させてくれる場所で過ごす時間を増やしたり、参加したことのない場に足を運ぶなど新たなお気に入りの「分人」を見つける取り組みをするのもいいかもしれません。
ちなみにPIECESのメンバーといる時の「分人」が私自身とても気に入っているので、もし新しい「分人」を探される場合はPIECESへのイベントへの参加も検討いただけると嬉しいです。
今日の担当 ふくしま
https://note.mu/startuplab