旅:はじめての一人旅のこと。
通勤通学ラッシュの電車に乗り込む。
いつもなら教材が入っているリュックに、
今日はカメラや防寒着が入っている。
スマホを取り出し熱心に確認しているのは、
InstagramでもTwitterでもYouTubeでもない。
Googleを開き「札幌 締めパフェ」と検索したのだ。
札幌・小樽を選んだ理由
2月頃にひとり旅をしたいと思ってはいたが、特別行きたい場所がなかった。その土地を選ぶ具体的な理由がなかったのだ。
そんな中、Twitterである投稿が目に入った。
旅先を、札幌に決めた(出発3日前)。
旅の記録
コツコツ...ガラガラガラ...
足音と、キャリーバックを運ぶ音と、
「すみません、どこに行けば良いですか!!!?」
と言う声が空港に響く。
【1日目(東京→札幌)】
飛行機が離陸する瞬間。雲を抜けた瞬間。本州を離れた瞬間。北海道へ近づく全ての過程に胸を高鳴らせた。スマホのシャッター音が聞こえる機内の中で、一眼レフで本気のシャッター音を鳴らしながら何枚も撮った。
昼過ぎにホテルのチェックインを終えたら、クラークの像で有名な羊ヶ丘展望台に行ってきた。せっかく札幌に来たのだから、名所も回っておく。
はい。
【2日目(札幌・小樽)】
そして、写真展当日。
毎朝、母の「朝ごはーーーん!」がないと起きられない私が、当日の朝は携帯のアラームだけでスッと起き上がった。母からの「おはーーー!起きたーー???」というLINEに、誇らしげに「もちろんさ」と返すのだった。
展示の会場となっているのは、札幌にある「FAbULOUS」という場所だ。
今回展示されている写真は、仁科勝介さん(以下「かつおさん」)が奥尻島で撮影したものだ。会場で、奥尻島でゲストハウスを営む「ゆうとさん」にお会いすることができたのだけれど、奥尻島のことを知り尽くすゆうとさんが写真をベタ褒めしてしまうくらいだから、かつおさんが旅先で出会うものとの向き合う力は本当にすごいのだと思った。
↓かつおさんが奥尻島で過ごした記録(ゆうとさんがどんな方かもわかる!)
カフェの料理はとんでもなく美味しかったし、見た目もキュートだった。ステキな事が詰まりすぎてパンパンだけれど、だからといって悪いことは起きなくて良い。この先もっともっと良いことがたくさん起きれば良い!!!
私以外にも、何人か写真を見にきている方がいらっしゃった。お客さんが挨拶をする度、かつおさんは「ありがとうございます」とお礼を言い、丁寧にお辞儀をするのだった。
この展示のおかげで、私は札幌に来ることができたし、会うはずのなかったゆうとさんにも会えた。ゆうとさんは、「パッションだね〜!」と楽しそうに言っていた。それも、そうさせてしまう、かつおさんの人望があるからこそだと思った。
ゆうとさんと、かつおさんは、どこか似ていた。なんでだろう。ただ、私はこの人たちに会えて、なぜか自分のことがちょっと好きになった。
今回の展示の会場となった「FAbULOUS」では、ご飯だけじゃなく、様々なアーティストの作品だったり、暮らしを彩るモノに出会うことが出来るためとても充実した時間が過ごせると思う。(すごい宣伝しているけれど、絶対に誰にも頼まれていない。笑)
カフェから札幌駅までは歩いて向かった。ここでようやく札幌で雪が降っているところを見ることができた。
外の空気の冷たさにも、積雪にも慣れた。確かに寒いのだけれど、暖房が効いていない&隙間風ヒューヒューの3年A組の教室の方が何故かよほど身が震える。(余談だが、3年A組の窓はめちゃくちゃ外れやすい。後輩たち、気をつけるように。)
ここから、小樽に向かう。札幌から小樽へは、快速で30分ちょいでいけてしまう。この時はちょうど15時頃で、少し傾いた太陽が黄金色に光り、降る雪をキラキラさせていた。
小樽に着いて早々、人力車(?)のおじさんに声をかけられ、乗るか迷ったけれど道がわからないのでとりあえず乗ってみた。
それが大正解で、乗らなきゃ知れないこと、行けない場所がたくさんあった。小樽に行く人は、お小遣いが残っていれば乗ってみても良いかもしれない。おじさんの娘がわたしと同い年らしく、家族ネタで盛り上がった。
初めて会う人の写真の撮り方を教わったので、実践してみた。
「写真撮ってもいいですか!!!?」
この台詞を、この旅の後半でたくさん口にすることになる。嬉しい。
夜の小樽はかなり寒かったし、なかなか夕食を食べる場所が見つからなかった。若干道に迷いだした頃、ちょうど営業していたお寿司屋さんを見つけ駆け込んだ。
自分には贅沢すぎるお寿司だった。ウニって、溶けるんだ。
【3日目(札幌→東京)】
3日目の朝は、札幌駅周辺で唯一朝8時から営業している喫茶店に行った。17の私にとって、「今まで飲んだ珈琲の中で一番美味しい」という言葉がどれだけの重みを持てるかわからないけれど、本当にそうだった。更新しそうになったら、またこの喫茶店に寄って、再度味を確認したいくらい。
家族にも飲ませたくて、お豆を買って帰った。家で母と飲んだが、それはそれは美味しかったさ。店員さんに「美味しかったです!」と言えたし、大満足。
そのあとは、昨日かつおさんに教えていただいたラーメン屋さん(信玄)に寄って、
家族や友人やお世話になっている人に渡すためのお土産を買って、空港に向かった。
空港なんてもうなれっk…
え、荷物検査どこ?お手洗いどこ?あぁ…(無事に乗れました)
良い旅だったな〜。
帰ったら家族に何から話そう。
あのね、すごく素敵な人に出会えたんだよ。
大好きな写真もたくさん撮れたよ。
残したいと思う瞬間があるって、イイね。
その瞬間にシャッターをきれることがあまりにも少ないけれど、
これからは、「撮りたい」と思ったら素直に撮ろうと思うよ。
そっちの方が、私も、もしかしたら、
目の前にいる人も嬉しいのかもしれないね。
そんなことを、今更かもしれないけれど、気づいたよ。
旅の反省
さいごに
はじめての一人旅のこと、出会えた人達との時間、与えてもらったことを忘れないために、このnoteを書きました。この旅の思い出は、きっとこれから私の背中をそっと押してくれると思います。
この旅を最強にした背景には、2021年まるまるやりたいことができず、会いたい人に会いにいけず、言いたいことを上手に言えなかった悔しさと、成長できず悩んでいたことでした。もちろん嬉しいことも、楽しいこともたくさんありました。17歳とは、もっと甘酸っぱいものだと思っていましたが、ただただビターでした。でも、そんな時間もあって良かったと今なら思えます。
ソッ…とお小遣いをくれた母、前日に充電器を充電しておいてくれた父、かわいい妹と愛犬(これは大役)、心配してくれた祖母と祖父、「気をつけていってらっしゃい!」と言ってくれた友人、美味しいお店を教えてくれた優しい大人たち、旅先で歓迎してくれた方々、そして、きっかけを下さった勝介さん、本当にありがとうございました。おかげで、無事に一人旅を終えました!!!
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。友達?同級生?社会人?どんな方だろう、、、面白い文章を書けた自信は無いですが、少しでも響くものがあったなら嬉しいです。次は、桜が咲く季節にでも友人と旅に出たいですし、ひとり旅もしたいです。その時にまた、こうして残せたらと思います。また、旅行のことならどんな誘いも紹介も嬉しいので、良かったら声をかけてください。
では、また!