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日記:挨拶のチューニング
「起立、礼」のかけ声をするのに緊張していた。
そのひと言でも、上手いというか適任の子がいて、私にははまらなかった。
好みのテイストがあった。ゆっくり気怠い「きりーっ。れーーぇ。」という感じ。授業が始まる憂鬱さが表現されていてよかった。
私も質の高い「起立、礼」がしたくて、日直になる1週間前くらいからみんなはどんな方向性の「起立、礼」でいくのだろうかと観察し、それぞれのキャラクターに合ったテイストに感心しながら自分自身の方向性を決めかねていた。
私が思うに、方向性を迷っているようでは「真の起立、礼」ではなかった。
だから、私の「エセ起立、礼」がバレて世界がキョトンとするかもしれないと想像するが、意外と普通に受け入れられて授業が始まったのがちょっとうれしかった。
誰もそこまで気にしていなかったのだと思う。
そんなことを思い出したのも、どうやら今居座っているカフェにはお客さんが食器を片付けながら「ごちそうさまです」と言う文化がありそうだからだ。
それぞれの確立されたテイストの「ごちそうさまです」が次々と聞こえてくる。
私は今、帰る時にどの声のトーンで「ごちそうさまです」を言おうか脳内でチューニングしている。