日記:エレクトリカルおじさん
いつも日記のイラストを書いてくれているなつこ(母)が来月で7×7=49歳になるらしい。
しちしちしじゅうくじゃん!!!と興奮する私に対して、自分が50目前であることが信じられないようだった。
7×2=14の妹は絶賛テスト期間で、早く起きて勉強を開始していた。
「ドビッシュー...???」と、妹が聞く。
「ドビッシュー...!?!?」と、私が言う。
「いや、ドビュッシュー...???」と、なつこが言う。
答えは「ドビュッシー」だった。
アラベスクの人。
テストで
1.ドビッシュー
2.ドピュッシュー
3.ドビュッシー
4.ドビュッシュー
の4択だったらむずいねと笑った。
通い続けて13年目の書道教室。
毎年暑くなるとうちわに好きな字を書く恒例行事があるが、今年もその時期がきたようだ。
後輩が「休」と書いたものが飾ってあって、だいぶ上達していていいなと思ったので勝手に単語にして並べた。
なつこと写真美術館に行ったらちょう楽しかった。
ネットで調べればいくらでも写真がでてくるけれど、それを展示会場でみると、より本当にその瞬間があって撮られたんだということがわかる。
撮られたという事実を認識して残念な気持ちになる写真と、その奇跡に感動する写真があった。
特に、田沼武能さんの写真展で、戦後のこどもたち、世界中のこどもたちの姿を残した写真には感動した。
新田樹さんの写真展に行ったときと同じような心の動きだった。
高校からの友だちと、学校の最寄駅で集まってご飯を食べていたら、ちょうど同窓会のお知らせが回ってきた。
ついこの前まで一緒に居た気もするけど、大学生になって、同級生がどんどん変わっていく姿もSNSで見ている。
私たちが会うのは、あの頃の私たちではないんだよな。
明太子もんじゃの明太子が歯に挟まったままスタバの抹茶ラテを飲んで、近くの公園に座った。
公園に、光っているおじさんが歩いていた。
肩、腕、背中にライトが取り付けられている。
青白い光が横切る様子をみて、ディズニーのエレクトリカルパレードの規模1/100版だなと思った。
同窓会までにちょっと痩せなきゃと思いながら、甘い炭酸のジュースを口にいれた。
絵:なつこ(母)