50代転職日記　#13

新しい職場に通い始めて3日目。
年末調整のサポートで5000人のパートさんから提出された証憑の確認と整理をする。これだけの人数の処理を内製でやらせるなど前職では考えられない。
もちろん期間限定の派遣さんなどを投入しているのだが、内製には変わりがないので提出期限をすぎてもダラダラ到着する書類と格闘するハメになる。
課長に呼ばれて「働いてみてどうですか」と問われた。
「締め切りが遅くないですか？このペースで本当に年末調整が終わる気がしないのですが」と答えたところ、いつもこんな感じですよ～と返された。
ここは小さい規模でやっていた仕事のやり方を大きくなっても変えられない会社のようだ。
前職で入社したての時を思い出す。12月いっぱいまで年末調整の計算をして1月に還付徴収を行っていたのを12月最終の給与賞与で年末調整を行いましょうと提案したら激しい抵抗にあった。還付だけならよいが徴収し損ねることがあるので一発で終わらせたかったのだが、還付金がささやかな楽しみの人たちからすると鬼のように見えたのかもしれない。この職場でもそれにしたらハレーションを起こしに来た奴扱いされるのか。どんよりした気持ちになった。
２０代の男性社員が「ボク、めんどくさそうなやつは山に戻して簡単なヤツをやってますよ」と呑気に言っている。仕事を怠けた分は自分自身に返ってくるだけなのに。この人はこれが当たり前でそのまま年をとっていくのかな、と思っていたら、隣に座っていた別の２０代男性社員に「お前そんなことやめろよ！」とキレられていた。あー先が思いやられるな。しばらくは我慢して人間観察に徹してしていこう。
パートタイムで働いてみて、ここではパワハラやモラハラは見受けられない。長く働こうと思えば働けそうだが、とにかく保守的で進化を忘れている。仕事してて楽しくないだろうな。定年までやっていけるだろうか、無理なら諦めずに正社員になる前に転職するか・・頑張ってくれた転職エージェントに悪いし出来ないなあ。
これまで3社入社してきて、いままで感じたことのない不安が押し寄せてくる。みんないい人、定時に帰れて休みも確実にとれる、仕事はみんなで分担。今までの私からすれば考えられないくらい良い職場のはずなのに全く受け入れられない。心の奥底で「作業ではなく仕事をさせてくれー」という叫びがこだまする。

正式入社前１ヶ月のうち10日だけパートタイムで働き、前職を退職後正社員になった。正社員になったら仕事をさせてもらう！という意気込みでオフィスに向かっていった。