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【本】働かないアリに意義がある

アリやハチの世界で定説になっている、8割が働き、2割は働かないという現象は実在する。

その原因と考えられるものとして反応閾値の差がある。
遺伝的に刺激への反応に対して個体差があり、結果的に2割は仕事にありつけないでいるため働いていないように見える。
それゆえ、この2割を取り出すとその中での反応閾値の差からまた8割と2割に分化する。
短期的には働いていない個体がいるとロスになりそうだが、群れにとっては有事の際のバッファとしてはたらいている。

遺伝的に多様な集団の中では、自己の遺伝子を後世に残すため、他者を出し抜こうとする行動が出る。
そのため、集団の内部にそれを統制する機構が備わることがある。人間社会でいう法。しかしそれにも穴はある。

遺伝的に同じものが群れを成している(クローン集団)の場合、こうした出し抜く行動が必要なく、完全な群体といえる。
遺伝的に同質であるということは感染症で全滅する可能性があることも意味する。

多細胞生物の一個体は「細胞が集合した群体」と捉えることができる。
この場合、遺伝的に近い細胞同士が機能を分担して生物体として存在する「完全な群体」と考えることができる。
個々の細胞が自己の遺伝子を後世に残そうと競争をしたら、集合体としての機能が失われるだらう。

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