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先生がパパ先生になったら読む本

江澤さんに献本いただいた「先生がパパ先生になったら読む本」を読みました。
山形でお会いした佐賀井さんも著者になっていたので、「これは!」と思いお願いしました。

どんなに学校で必要とされていてもわが子の”父親”はあなただけ!

帯に書いてあった一文です。
教員としての職責が強いほど、わが子よりも教え子のために、なんて考えてしまうこともありましたが、本当にそれでいいのでしょうか。
教え子の困難な状況があると保護者や家庭環境に想いを馳せることがあります。
それは反対側から見ると、自分の子どもの背景に親としての自分がいることと同じだと感じます。
自分は親としてわが子に向き合っているのか。
そもそもわが子以上に向き合うべき子どもはいないのではないか。
そんな思いに揺れている人は手に取ってみることをお勧めします。

先生がパパになると困難が急増!

表紙の折り返しにはこのフレーズが強調されています。
子どもが産まれた途端に「自分の時間」として使える時間が極端に少なくなります。
もちろん仕事に充てる時間も物理的に減少します。
まさに困難が急増!です。
では仕事の質は諦めて家庭に注力するべきなのでしょうか。
これも否だと考えます。
自らの家庭を第一にすることと、学校での業務の質の向上を図ることは両立が可能です。
ただ、子どもができるまで際限なく時間を費やしていた場合は、そのやり方を再考する必要があります。

構成

本書は著者のパパ先生である江澤さん、森さん、佐賀井さんが全てのトピックに原稿を寄せています。
それぞれのエピソードを交えて、どのように歩んできたか、どのようにこれからを描いているかが具体的に記されています。
お勤めである校種、勤務校でのポジション、お子さんの年齢や家庭の状況、などが三者三様で異なります。
そのため、パパ先生になったらこうすればいい、という画一的な方法論でなく、読者が自身の状況に照らして考えることができるような構成になっています。
・子どもが生まれる前
・出産の時期
・産まれてからの状況(家庭、職場)
・保育園前後
・この先の展望
と時系列に沿って進んでいくので、パパ先生としてどのように歩んでいくのかを自分ごととして読み進めていけるような印象もあります。

パパ先生になるということ

もちろん、パパ先生としてどのように家庭と仕事を両立していくのかという部分については多くのヒントがあります。
しかし、本書で著者が伝えたいのは、
「パパ先生になることで人としても教員としても厚みが増す」
という部分でしょう。
この部分を三人がそれぞれの視点で記述されています。
職場の中に似た立場の人が多くいないというケースもあるでしょう。
そういった視点でも本書を読むことで、子育てと学校教育の両立、というか相乗効果に希望を持つことができそうです。

ママ先生

終盤にはさらに自分の世界を広げる方法として、情報収集の手段や副業のことや、子育てをする上で知っておきたい制度の部分も簡潔にまとめられています。
子どもが生まれる前に読んでおいたらよかったなという部分と、まさに子育てをしている今だからこそ読んだらいいという部分と様々な読者層に対応しているようにも感じました。

そして本書のインパクトが大きいのは
「先生がママ先生になったら読む本」
と同時出版されていることです。
夫婦教員だという方々は読み合って話し合うことで現状についても未来についても家庭を充実させることにつながるのではと感じます。


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