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真っ逆さま - TWS番外

以前、"旅の続き"にも書いたが、Bluetoothイヤフォンを使い始めた当初は左右有線のQCY QY-19を使っていた。今では少なくなった左右が有線で繋がっているタイプ。それを外出用に使用しているとき、家で使う安いBluetoothイヤフォンを探していた。家ではタブレットをメインで使っていて、海外ドラマや映画を見たり、少し音楽を聞いたりする。まだ外出用にKZ ZSRにBluetoothケーブルをつけたものを使う前の時期。そのとき探して買って家用でなんとなく買い使っていたのがAWEIのES-10TYだった。


AWEI ES-10TY

それ以前は有線のイヤフォンを使っていた。なぜこれにしたかだが、安い、金色、普通っぽい。それだけだった。もっと安いものはいくらでもあるが、安すぎるものは音がひどいものしか使ったことがないし、それはコストだから仕方ないと思っている。それでも激安で千円するかしないというのは驚きだった。左右有線だが親機との接続はBluetooth、当時はそれが普通のBluetoothのイヤフォンだった。特徴は左右金色で金属のハウジング、見た目には何も破綻した感じのないもので、その値段に不安もあったが、目立つ金色で遊びで買う気持ち、だから買ったときは使うのが楽しみだった。実は同じAWEIのメタルハウジングの有線のイヤフォンを使っていて、しかも五百円しない激安のもので音もそこそこだった。百円ショップのイヤフォンのように酷いわけではないが明らかに普通のイヤフォンより落ちる、そういう認識のメーカー。だが届いたES-10TYは至極普通で音もよいとは言わないが悪くもない。いや、使っていたQCYのQY-19も接続が完全有線のそこそこのイヤフォンに比べれば音はよくなかった。そのQY-19より少し悪かったが酷いものでもなく、ペアリングの簡単さや使い勝手もよかったのでタブレットに使う分に不満はなかった。しかし思ったよりも早く壊れてしまう。もう憶えてないが物理的に壊してしまったような記憶。壊したときは既にメインにKZのZSRがありQY-19が余っていた。しかもQY-19の後にQY-12Proを買っていたのもあって壊れても慌てることもなかった。だからES-10TYはそこでおしまい。QY-19をタブレット用に使用し、メインはKZのZSRで、QY-12ProはZSRに似ているところもあり、QY-19よりも音もよかったが温存ということにした。ES-10TYには特段悪い記憶もなく値段の割に映画とか見るだけなら悪くないイヤフォンだったなという感想だ。


時の経過

そうして時は流れて様々なことがあった。QCYのQY-19が少しずつくたびれてきて、ついに断線してしまった。家にいるときはずっとしているし、寝ているときもしているような状況だった。かなりの使用時間もあったし寝てごろごろするという衝撃もあった。しかしそこは温存しているQY-12Proがあるので慌てることはない。再び快適、いやQY-19以上の音でさらに快適だった。そうしていくらかしたら今度はQY-12Proが壊れた。そして今度は日本の代理店仕様のQY-12を買った。それが詳細を端折って書いた"旅の続き"だけど、そうこうしていたらQY-12まで思ったより早く壊れた。充電ができず片方しか聞こえない。見た感じは断線とかではなく電気的トラブルのようだ。壊れ方というか徐々にそうなってきたのでそう感じたのかな。そこで急に家で使う左右がつながったBluetoothイヤホンが欲しくなり、思ったよりも早く壊れ温存している手持ちがなかったのもあり、できる限り早く何か欲しいなと思った。AWEI ES-10TYが悪くなかったのでもう一度AWEIを買ってみたいとは常々思っていた。しかし欲しい機種がなかなか見つからなかった。あちこち探してAWEIのB930 BJというAWEIでももう少ない左右有線のBluetoothイヤホンを発見した。千円程度、千円前後とは言わないが、千円ちょいという値段で売ってたので早速注文した。多分これがAWEI最後の機種になるかもなんて思いながら。そしてその後日本でQY19Proというのを売っているところを発見した。AWEIの音とかには期待はしてなかったし、QCYということで見つけてすぐに注文した。国内のショップのポイントで買えるというのもあった。とはいえQY19ProだってQY-19のことを考えると音質とかにはそんなに期待もしてなかったけどね。それに考えとしてはどちらかは使って、どちらかは温存すればいい。そんな感じだった。


AWEI B930 BJ

中華で買ったB930 BJは注文自体随分早かったので先に届いた。普段から中華のロジスティクスなので結構待つが、タブレットの環境はBluetooth以前の有線イヤホンに戻っていただけなので多少の不便程度で使えていた。だから時間的に待てたし、逆に待つという行為が届いたときのワクワクを呼んでいた。三台目のAWEIイヤフォン、そして多分最終。届いてみるとパッケージは普通のイヤフォンとなんら変わらない。作りも粗が目立つような昔の中華然としてるものでもなくマーケットは世界だろうと容易に想像できた。ペアリングも簡単でイヤーチップも標準のMでぴったりだ。音を聞いてみるが悪くなく、これなら音楽含めてタブレットでは常用できそうだ。しかし…

しかしおかしい。音が途切れる感じがするのだ。いや、厳密には途切れていない、無音や無音に近い状態からの立ち上がりが遅く、頭が聞こえないというか最初の音が聞こえないのだ。音楽の頭、静かなシーンの映画やドラマの音声の頭、特に後者は最悪でちゃんと言葉を聞き取れない。手持ちのスマホでも試してみたが同様だった。これはBluetoothの転送データ量を抑えるための搭載チップか何かの仕様なのか、それとも単なる不良なのか、それがわからず愕然とした。使えるけど使えない。しかし余裕があった、遅れて頼んだQY19Proは国内ショップなのでもう届いていたし、本命はそっちだから。最後のAWEIは残念だったけど使えないわけじゃない。そういうのを気にしない家族に渡すと使っているのか使ってないのか文句は出なかった。ケータイやスマホは個人情報の塊なので家族のスマホで検証するわけにもいかない。


QCY QY19Pro

国内ショップの注文だったのでQY19Proはすぐに到着した。日本の代理店仕様、以前使っていたQY-19と何ら変わりはないと思える姿。ただProになっているので期待はあった。Proなのでドライバが新しくなり音がよくなってるのだろうかとか妄想した。明確に違うと分かっていたのは持っていた頃のQY-19とは違いBluetooth 5.0に対応しているということ。買う時にはそれくらいしか分からなかった。まあその時も書いたが、QCYにはある種の信頼を置いているので心配はしていなかった。それよりもAWEIの残念な結果に、さあこれからだという安心感があった。QY19Proは以前のような段ボールをデザイン性高く上手に使ったパッケージではなく、白い上等な箱に入っている。しかし中身を見ると以前持っていたQY-19となんら変わりはないようだった。装着感もペアリングも多分ボタン回りも同じ、この安心感がQCYを使ってきた私からすると待ち望んでいたこと。だが、使っているとどうみてもおかしい、いや言いたくない感情にたどり着く。簡単に言い表すとすると、????だ。

いや簡単なことだ、AWEI B930 BJと全く同じ症状、無音からの立ち上がりや最初の音が聞こえないのだ。え?となる。信頼を置いていたQCYだし、QY-19は使ってもいたが同様の不具合はなかった。もちろんスマホに接続先を変えて試してみたが同じ。そこで一つの推論がある。QY-19とQY19Proで変わったと認識しているのはBluetooth 5.0対応ということだ。だからこの違いはイヤフォンに搭載されているBluetoothチップセットの違いではないか。どちらもaptXにもAACにも対応していないのでスマホで確認はできなかった。タブレットはそれ自体がaptXにもAACにも対応していない。ただそこから導き出されたという感じだ。手持ちの他のTWSをペアリングして使ってもそういう不具合は起きない。
だが今回思うのはもっとできるだけ広範囲に検証すべきだったのかということ。だらだらしている私は突き詰めて原因を探していないのではと客観的に考えてしまった。それがこのTWSの長い旅の一連の苦渋ではないのかと。そんなことを思った。


真っ逆さま

ワクワクしていたAWEIの最後のBluetoothイヤフォン、意味もなく経験の積み重ねによる絶大な信用をしていたQCYのBluetoothイヤフォン。なんだよ、有頂天、大信用から真っ逆さまとはこのことだ。自分だけが踊っていた現実、こういう悲しい現実を目の当たりにすると何もしたくなくなる。QCYは前回書いたTWSのT1Cに続いて二連敗だ。いや、いや旅はまだまだ途中だ。だからこそというか、とはいえというか、QYCからも離れるわけではない。それはまた次回の話にでも。


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