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3匹の犬の子『さぶたんくう』作者なつさんインタビュー〜魅力的な作品の世界ができあがるまで。 〜

読んでいるうちに思わず世界に入り込んでしまう...そんな絵本に出会ったことはありますか?惹き込まれる物語は、どこから着想を得て、どのように作られているのでしょうか。

サブロー・タンタン・クウという3匹の犬の子の物語『さぶたんくう』シリーズ。読んでいると、作品の至るところから、作品世界の空気感やキャラクターの魅力が伝わってきました。そこで、作者であるなつさんに「どのように世界観、キャラクターを作ってこられたのか?」についてお話しをお伺いしたいと思い、インタビューを実施しました。

飼っていたわんこからキャラクターが生まれた。

ーよろしくおねがいします。早速ですが、さぶたんくうについて作品のご紹介をお願いできますか?

さぶたんくうは、サブロー、タンタン、クウという3匹の犬の子と周りの子供達の日常を描いたお話、イラストです。
絵本としては「タンタンがやってきたお話」「サブローがやってきたお話」「おゆうはんかくめい」「さぶたんくうの1日」の4作品あります。
絵本のほかに、イラストを使ったポチ袋やレターセット、カレンダーなどの紙もの雑貨も作っています。

ーサブロー、タンタン、クウはそれぞれどんな性格なのでしょうか?

クウは甘えん坊で人見知り、タンタンは自立心旺盛で逞しい女の子、サブローは警戒心が強く心配性ですが、3匹の中では一番しっかりものです。

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ーさぶたんくうが生まれたきっかけはなんでしたか?

昔、実家でサブロー、タンタン、クウという3匹の犬を飼っていました。
当時のブログにタンタンのイラストを描いて載せたところ、姉と母にウケたので、絵本を作ることを決めたときに題材にしようと思いました。

ーキャラクターや設定は最初からすんなり決まったのでしょうか?

タンタンとクウはモデルにした実家で飼っていたわんこそのままです。
サブローは2匹とのバランスを考えて実際よりも見た目も性格もかなり可愛らしくしました。

実際のサブローは絵本のエピソードにあるようにネグレクトに近い環境にいたところから引き取ってきた子でかなり警戒心が強く、身体ももっと大きかったです。

さぶたんくうの周りのキャラクターはモデルがいたりいなかったりです。

自分の"好き"を集めて、設定を作り込んでいく。

ーアケリョ村や、お部屋が屋根裏にある、などの設定はどう作られていったのでしょうか?設定を作っていく上で参考にした資料などあったりしますか?

子供の頃から北欧やドイツ、東欧などの児童文学や絵本が好きでよく読んでいたのでその影響を強く受けていると思います。

村の中心に広場があったり、学校の上に先生の住居がある設定はリンドグレーン作の「やかまし村の子供たち」から。(※スウェーデンの作家アストリッド・リンドグレーンによる児童文学シリーズ)

ちょうどチェコに旅行に行ったときに書いた話なので、さぶたんくうが住む家はチェコでみた可愛らしい家をモデルに描きました。
あとはパブとか団地とか、自分が好きな設定を片っ端からつめこみました。

ーとても細かいところまで設定が作り込まれていると感じています。設定はどこかにまとめられていたりするのでしょうか?

アケリョ村の地図と設定集があります。昔はイベントなどで配布していました。よくわからない設定もいっぱいで、今見るとちょっと恥ずかしいです。。

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(とても作り込まれている設定資料。書き込みがビッシリ!)

ーさぶたんくうのイラストはとても味があると感じます。どのように描かれているのでしょうか?

Photoshopで書いています。

でも複雑な機能はほとんど使いこなせないです。
使うのはペンと消しゴムと塗りつぶし機能のみで手書きと同じ感覚で書いています。

描いた絵をすぐ印刷できるところと、部屋が散らからないところが気に入っている点です。


完成の秘訣はイベント参加などの目標設定

-物語の創作を始めたきっかけはなんでしたか?

デザインフェスタに出展することが決まり、絵だけの展示では寂しいと思い、絵を使った「何か」を作ろうと思ったことがきっかけでした。

-作品を作っていく中で、嬉しい、と感じる瞬間はありますか?
 
豆本として製本したときに可愛くできたな、と思えたとき、イベントなどで前回購入された方から「好き」と言われたとき、嬉しいです。
 
-作品を作っていく中で、困ったことや、悩みはありますか?

イベント参加など目標がないとなかなか完成できなかったり、製本するまで誤字脱字に気づかないこともあります。完成したものを読み返すたびに書き直したくなり、実際再販のたびに書き直すのでちょっとずつ文章が変わってしまうことがあります。

-創作する時に一番時間がかかるな、悩むなと感じるところありますか?

文章を書くのが苦手で、いつも長文になってしまいますね。思わず声に出して読みたくなるような読みやすくシンプルな文章をかけるようになりたいと考えてます。

-創作をする時に大事にしていることはありますか?

絵が可愛いことです。また、豆本として製本したときに雑貨としても可愛いデザインであることを大事にしています。

-作品を作る上で、目標はありますか?

作っている自分が楽しくてたまに読んでくれる人がいて、「好き」と言ってもらえたら満足です!

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インタビューは以上となります。周りの方の「好き」の気持ち、なつさん自身の「好き」が詰まっている様子が伝わってきました。なつさん、ありがとうございました!

関連リンク

■(グッズの販売) sabutancoo 小さな紙もの雑貨 
https://sabutancoo.booth.pm/

■(作品) ちいさい絵本「タンタンがやってきたおはなし」https://www.pixiv.net/artworks/42807573 

■(作品) 絵本「おゆうはんかくめい」
https://www.pixiv.net/artworks/48624921


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