2016年9月27日(火)のひとこと「イタリア生まれの新顔さん」

イタリア製の靴を買った。靴の裏がとても滑らかで、つるつるしている。

うちは高台に建っているので、玄関を出たあとすぐ、急な坂を下って表に続く小道へおりなければならない。この坂がなかなか急で、イタリアのつるつる美肌では踏ん張りがきかず、お尻から転んだ。朝5時の、まだ露っぽい地面とも相性が良すぎたのだと思う。

そのまま、電車に乗って出かけた。駅からオフィスビルまで続く地下道は、よく見てみると色々な素材で出来ている。普段は気に留めることもなかったけれど、どうやら日本には馴染みのない様子のイタリア生まれの新顔さんに、ひとつひとつ教えながら歩かねば。

新顔さんは、日本だけでなく私にもまだ馴染んでくれていない。主に踵のほうから、チクリチクリと私を責めてくる。そんなに故郷が恋しいのか。出会ったばかりの数日は、あんなに機嫌がよかったのに。

もしかして、イタリアではこんなに朝早くに坂道を下らないのかい。イタリアではこんなに長く電車に揺られないのかい。イタリアではこんなに急いで走ることはないのかい。イタリアではこんなに沢山の人や地面と顔を合わせることはないのかい。

でも怒らないで。大丈夫、すぐに慣れるよ。

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