純喫茶 古城

純喫茶、古城。上野駅から徒歩10分。

私は生まれてから純喫茶なる空間に入ったことがない。「」喫茶、一体何が「純」なのか。それは純喫茶と喫茶の違いにある。歴史を遡ると……。

閑話休題。

この古城という純喫茶は地下にある。一階の入り口から地下への階段を降りるとそこには幻想的な非現実空間が広がる。

美しい古城

店内に入るとさっそく私は2人掛席に案内された。その席の椅子は柔らかく、体重をかけるとそのまま腰が深く沈み込んでいく。

机の上にある冊子に手を取ると古城に関する説明が書かれていた。

自分が案内された席はロマンスシートというものらしい。確かにカップルにちょうど良いサイズ感。この椅子に座ったときの窮屈さが2人の距離を物理的に縮める役割を果たすんだろう。

自分の横には大きめのリュックが置いてある。リュックとのロマンス?は?

周りを見渡せば美しい空間のデザインに心を奪われる。
中でも店内の中心に吊り下げられた巨大なシャンデリアと色とりどりのステンドグラスで作られた大きな窓が目を引く。

私は特製ココアとチョコレートケーキを頼んだ。

ココアとチョコケーキ

まずこのココアを見たときに思った。このココアの上に盛り付けられたクリームはどうするべきなのだろうかと。2つの可能性が考えられる。

  1. クリームをまず食べてから、ココアはココアだけで飲む。

  2. クリームを崩してココアに溶かしつつ飲む。

自分はクリームを溶かす方を選んだ。冷たいココアの中にスプーンで崩したクリームを沈めて掻き回す。しかし困ったことに全くクリームが溶けない。

そういえば頼んだのは「アイス」ココアだった。このココアの中でクリームはその融点に達することはない。かき混ぜればかき混ぜるほどに細かくちぎれるクリームが汚くココアに浮いていく。

あんなに綺麗に盛り付けられた特製ココアが……。
あんなに美味しそうに見えた特製ココアが……。

以上、純喫茶 古城でした。

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