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【高校国語 現代文】授業用本文プリントをWordでテンプレ化

現代文授業での「本文への書き込み」に関する問題意識

現代文の授業では、できるだけ生徒が自分の思考の痕跡を残しながら教材文を読んでいけるよう、教員側で「本文への書き込み」を推奨しているが、私としては教科書に直接書き込ませることは避けたいと思っている。

授業で習得した「読み方」を、まっさらな状態の本文(=教科書)と再び対峙し実践する余地を残したいからである。そのため、教科書とは別に「本文プリント」を用意しそれをノートに貼り付けさせ、生徒のノートを「読み方」「本文の図式化の仕方」「語句」「設問へのアプローチ方法」等を網羅できるような、「参考書」にすることを目指していた。

とはいえ、働いていた時はあまり授業−ノートの有機的関連を確立できておらず、授業で配布する「本文プリント」は教科書データ収録の本文をただWordに貼り付けB5で印刷しただけのお粗末プリント。反省点が多かったので、現在休職中であるのをいいことに今の自分としてはベストなプリントの形式を考えてみた

こんな感じがいいんじゃね?

縦使用・上下見開きのノート(の上側)に貼ることを想定した本文プリントの構想

素案

見開きノートの下側は板書スペースとしたいので、上半分をうまく構造化したい。独立した語句プリントではなく、できれば本文に即した形で語句調べの結果を記載させたい。本文の骨子等をメモできるスペースがほしい。あとどうせなら読解にあたっての着眼点とか設問も書いておけたらオールインワンノートが作れるなと

とはいえ、私はかなりWordが苦手、というか嫌いなので、どうやったらこういう形式のプリントにできるか当初皆目分からず。そもそもWordでそんなことが実現できるかも不明。かといって他のツールもよく分からんし…ということで方針皆無だがとりあえずトライ。
最初、本文の部分をテキストボックスにして…とかやってみると、ページを跨いだらテキストボックスがどこかへ動いていったりして、腹が立って一旦やめた。しかもその方法だと、全ページが同じ形式にならない。いちいちページをコピぺするのは面倒すぎるので避けたい。

どうやったら本文のゾーン以外を固定し、本文が複数ページ渡っても全ページに同じテンプレが適用されるようにできるのか???????

ふてくされて半日ほど寝かせてみたところ、自分にしては良い案を思いついて、やってみたら案外上手くいったので以下にメモしておく。

本文プリントのテンプレ化 

〈鍵=「ヘッダーとフッター」に固定したい要素を入れてしまう〉

以下手順

1 余白の設定
左側(メモ欄)と下側(語句調べ欄など)に本文を侵入させないよう広めに余白を設定

上側と右側は適当



2 ヘッダーに「Memo」(枠線なし)と書いたテキストボックス挿入

3 フッターに (本文欄と語句調べ欄との区切り線となる)図形の線、「目標」「語句調べ」(枠線なし)「設問」と書いたテキストボックス挿入

「ヘッダーとフッター」の編集画面でほぼ完結


なお、「設問」のテキストボックスなんかは、位置的に明らかにフッターのラインを上にはみ出しているけれど、ちゃんとフッター扱いになる。優秀


4 本文を打ち込む部分の文字サイズとか行間を好みのものに設定する

5 「ファイル」→「テンプレートとして保存」


テンプレートを適用して実際に授業用本文プリントを作ってみる


先ほどの画面を終了して、再度Wordを立ち上げると、なんと新規作成の画面に先ほど保存したテンプレートが出現

こんな感じで出てくる
嬉しい( ◠‿◠ )



これに教科書データ収録のの教材本文を貼り付けてみると、こんな感じになる。意味段落ごとにページを分けて複数ページになっても、全ページに同じ枠が反映されている


あとはそれぞれの意味段落ごとの「目標」「設問」をテキストボックスを新たに挿入して(ヘッダーとフッター編集画面ではなく"地の"画面で)書き込む


最後に調べるべき語句を網掛けし、設問になる部分に傍線と番号を付したら1教材分の授業用本文プリントが完成
予め設問になる部分に傍線を引いておくのは授業でのストレスがかなり減るだろうと期待。本文の中で取り上げたい部分を「p 284 l 13」のように指示すると(確かにそれも一つの手ではあるのだけど)私も生徒も目線がワタワタしてしまうので、「傍線部1参照」と指示すれば一発で目線誘導できるというのは些細だがとても良い。


スペースが限られる関係で「目標」も「設問」もド簡潔にか極小文字でしか書けないという難点はあるが、まあそのへんは如何様にもなると思うのでひとまずこんな感じで

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以下記事の下部にて現代文授業でのiPad活用について少し言及

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