みじゅきの大阪マラソン2025挑戦note〈1:なぜ私は就活をしなかったか〉
練習記録(11/24~11/30)
・11/24(日) わかやまリレーマラソン パンダRUN
早速練習ちゃうんかいという感じですが、私の大阪マラソンは、和歌山から始まりました。運営をお手伝いしているリレーマラソンイベントで、記録写真を撮影しながら走る(!)機会を得ました。
一周約1.4kmで、ハーフマラソンの部だったのでチームで15周走ります。私は2周走りました。交代できるので、持久力というよりは負荷をどこまでかけられるかの試練です。ペースはちゃんと測っていませんが、6分半ほどでした。初心者がフルマラソンで走るなら、1kmあたり8分ペースと聞いているので、これはかなり早いです。
得たのは「自信」とりあえず3kmくらいはダメージなく走れるんだという経験で、練習のハードルはグッと下がったなと。週1回以上の5km~10kmランニングを目標にしたいと思いますよ。
なぜ私は就活をしなかったか
私は大卒一括就活への違和感があり、就活をしないまま3月に大学を卒業しました。この判断に、明確な理由はありませんでした。感覚に従ったといえます。大学生のときに、この理由を言語化しようとすると、「自由に生きたい」「誰かに従って理不尽な辻褄合わせ―業務成果レポートを、できるだけ達成に近い形で盛りながら書くような―をしたくなかった」といった、刹那的な理由ばかり思いついていました。でも、この生活を始めて1年近くが経ったいま、あの感覚を少し言語化できるような気がします。
働くことが嫌なわけじゃないし、面接するのが嫌なわけでもありませんでした。「マイナビ」的な就活ポータルに登録して、就活生が効率的に企業を仕分けしていったり、逆に企業に自分たちが仕分けされていったりするあり方が気持ち悪かったのです。なぜか登録していたマイナビから、年齢情報で「24卒ですよね!?就活ポータルに登録してください!!」というメールが1日1回のペースで来ることに最初の気持ち悪さを感じました。
就活をしている友人は、自分の情報を入力すると、書類選考ナシの面接オファーが大量に来ると教えてくれました。大企業の面接ではリクルーターが付き、就職活動のアドバイスをしてくれるそうです。何十社も応募して、なかなか内定に結びつかないと気落ちする人もいました。逆に複数の内定から1社を選ぶのに泣くほど悩んで決めた人もいます。
大学のキャリア講義では、社会人基礎力を向上させ、就活スケジュールに乗り遅れないように情報収集をして就職しましょうという内容が続きます。プレゼン練習とかもありましたね。キャリアデザインって、社会人ごっこをする時間じゃないでしょ、と思ってました。(尖ってますね)
大阪でまちのイベントに関わっていたこともあって、周りには自営業の方がたくさんいました。大学生が思い浮かぶ自営業って、フリーランス的なWebやグラフィックのデザイナーさん、ライターさんや、スタートアップで是rン力疾走的な起業がメジャーかなと思うんですが、まちにはもっと身近で多様な方がいました。レストランや居酒屋のオーナー、あるいはゲストハウス、魚屋さん、ライブハウスやシェアキッチン、古着やハンドメイド、士業や歯医者さん、ときに何しているか説明できないほど色んな仕事をして生きている人。彼らはそれぞれのストーリーがあって、その上で独立して生計を立て、自分=商いで人生を楽しんでいました。当時は無意識だったけど、まちの人たちのおかげで、自分のストーリーの中で全力で働いて、楽しむ生き方がしたいと気付けたんだなと思っています。
これは「丁寧な暮らし」を良いなと思う感情に近いんじゃないかと。自分の食べるものはどこから来ているんだろう?せっかく食べるなら、美味しく身体にいいものを食べたい。生産者の顔が見たい。ストーリーがあれば尚良い。私は大学を出てどうするのか?と考えたとき、これから人生の可処分時間の約3割(実際使うエネルギー量は、もっとですよね)を使う「しごと」を、もっと丁寧に決めたかった。これまでの人生の延長線上に作りたかったし、私のことを知らない偉い人に囲まれて判断されたいものではなかったのです。私は労働力という工業製品ではないし、私というストーリーは、就職を前にして組み換えられるものではない。その感覚を大事に、というか抗えずに、フリーランスとして生きることを決めました。
ちゃんと就職したほうがいいと言う人もいるし、岸本ならなんか大丈夫そうと言う人もいます。どちらも間違っていなくて、失敗したり嫌になったらやり直せばいい、やり直せる社会であれ、と考えています。
働きたくても働けない人がいっぱいいる
「就活」の社会史(難波功士, 2014)では、就活の基本的な構造は100年前から大きく変わっていないことが指摘されます。景気によって就活生と企業の強さ、攻守が入れ替わること。「今の新卒は~」という年上の文句は、100年前からだいたい同じ内容で言われていること。
そして就活システムは若者にとって、コネやお金がなくても、就職の流れに乗ることのできる易しいシステムであるとしています。
本当にそうでしょうか?大多数はそうなのかもしれないですが、就活システムに乗れるかどうか、そもそもの格差や歪みがある、大きくなっているのでは?と感じています。私は、就活システムが、求職者や企業をプラットフォームの中で競争させるシステムだと考えています。
日本の若年無業者(18~39歳)は全国に約76万人いる、とされています。(厚生労働省, 2023)この世代の42人に1人が無職ということです。1997年に比べて、1%以上も増えているという分析もあります。
なぜ増えているのか、様々な要因があるかと思うのですが、就活システムに乗れない人たちがいる、ということはあるんじゃないかと。就職したけど、心を病んで離職する、という人もいます。このあたり詳しく調べてみたい。
だから、働くことのサポートをする
私は2022年の12月にNPO法人HELLOlifeに入社して以来、求職者支援施設の電話窓口として多くの求職者さんと関わらせていただいています。今無職であるという方が「働きたい、なんとかしたい」という思いで電話してくださいます。
その背景には、前述の就活システム云々の話よりも、人手不足や地域社会参加、孤独化、病気(心の病気を含む)、障がい、ジェンダー、親との関係、不登校、詐欺、薬物等、様々な社会課題が関わってきます。
求職者支援は、私たちの生活や、環境にとって全く地続きなものですし、求職者支援だけで解決するものはありません。HELLOlifeでは、狭義の「求職者支援」だけでなく、様々な角度で「働くこと」へのニーズにアプローチしています。
「ハローワークミニ」では、駅の改札付近にコーヒースタンドを設置しました。既存の支援サービスや制度にたどり着くことが出来ない方が、ふとコーヒーを飲みに来れる環境になっており、支援に繋がっています。
「はたらくフリースクール」では、不登校傾向にある児童に向けて、キューズモールでのお仕事体験と、その準備として様々な仕事のあり方、働き方を考えるワークを提供します。既存の社会システムに違和感を覚えることに対して、世界を広げるアプローチを行っています。
どちらも私が直接関わる事業ではないですが、長く求職者への窓口を務めるなかで、必要性を痛感しています。
既存の就活的なアプローチも、そうでない違った角度のアプローチも両輪で行うHELLOlifeで働けるということ。それは、就活しなかった自分が、同じように就活へ違和感を覚える人たちのために「働くこと」という社会構造にアクションすることになっています。思いがけずですが。
次回:「私の好きなこと―ローカル線」
次回の更新は、12/14(土)です。ここから、寄付をいただいた方限定の記事になります。最初は私の好きなことであり、ライフワークともいえるローカル線の関わりについて、改めてお伝えしますよ。