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勉強についていけない子にとって学校という場は地獄です。何もせず5時間椅子に座っていられますか?

これは学習障害の息子の記録です。まだ特別支援学級に入る前の7歳(小1)の時の出来事です。

息子の担任ワタナベ先生は7歳の子供たちを成績順にレベル分けして座らせていました。例えば本読みをする時、スラスラと読むことができる子供は上級レベルのライオングループの席に座ることができる。しかし本が上手く読めない子供は初級レベルのウサギグループの席に座らなければいけない。先生はそうやって常に子供達を競わせているようだった。

先生の質問に応えられない子供達は先生から言葉の暴力を浴びせられ泣かされていた。息子は滅多なことでは泣かない子だった。むしろじっと無言で耐えるタイプだった。その態度がさらに先生にとっては気に入らなかったのだろう。

息子は1年間ウサギグループからレベルアップすることはなかった。それは息子にとって死ぬほど苦しい1年間であったと言えよう。

息子「ママ、僕はずっと学校に行くの?」ポツリと呟いたことがあった。

この頃の私はまだ「ディスレクシア」に関する知識もなく、まさか自分の子供が学習障害だなんて想像もしていなかった。結果、助けを求めている息子に対して厳しいことを言ってしまっていた。

私「大丈夫だよヒロのお勉強はママが手伝うからさ。本読みの練習も一緒に”頑張ろう”。何度も何度も練習しよう」と軽い口調で言っていた。バカな私だ。

この ”頑張ろう” という言葉。3年後の今は使うべきじゃなかったと思う。すでにこの時息子は精一杯頑張っていたのだから。この頃は毎日約3時間程息子の宿題を一緒にやっていた。集中力があまり続かない息子ではあったが休憩しながら最後まで終わらせて寝ていた。おそらくほとんどの7歳の子供なら30分以内に出来る内容だったと思う。息子は文字を書くのもとても苦手だった。そして記憶力も悪かった。それについてまた後日書きたいと思う。

ワタナベ先生は常に言った。息子はやる気がない。努力が足りない。考えようとしていない。だから結果が悪いのですと。そうでしょうか?私はその考えは違うと思います。母親の私の方があなたより息子のことを理解していますよ。なんて言ったら息子の立場がさらに悪くなるので言いませんでした。

先生に”ある事”を辞めさせたいと思っていた。それは、”努力が足りない””聞かれたことを応えない”と判定された息子を「罰」として1学年下のキンダークラスへ放置することだった。私は再びメールを送った。今回は校長先生のメールアドレスも追加した。

Dear Mrs. Watanabe,
Thank you for your message about my son. I understand it is frustrating for you, it must be frustrating for him as well. I would appreciate to hear positive things about my son and not just negative.
He is a kind, quiet and loving boy who wants to do good.
I feel sending him to kindergarten class is to embarrass him, not to encourage him. I do not want him sent to kindergarten class.
I do not want him shamed when he does not know something, especially in front of his class mates.
Please find a positive and encouraging way to work with my son.

ワタナベ先生へ
息子についてのメッセージをありがとうございます。 私はそれがあなたにとって苛立たしいことだと理解しています、しかしそれは息子にとっても苛立たしいに違いありません。 ネガティブな事だけでなく、息子についてポジティブなことを聞かせていただければ幸いです。
息子は親切で物静かで良いことをしたいと思っている愛情深い男の子です。
息子をキンダーのクラスに送ることは、彼を励ますことではなく、彼を当惑させることだと私は感じています。 私は彼をキンダーのクラスに行かせたくありません。
特にクラスメートの前で、彼が何かを知らないときに恥ずかし目に合わせたくありません。
どうか息子にとって前向きで励みになる方法を見つけてください。
ヒロの母より

こんな内容のメールを送信したのはこの学年が終わる1ヶ月前だった。
何も難しいことを書いたつもりはない。シンプルな母親の気持ちを伝えただけだ。このメッセージを読んだワタナベ先生はどう思われたのか?

その後、色々と先生から言い訳メールが届いたものの

息子はキンダークラスに送られることはなくなった。
私はこの一部始終の出来事を常に息子にわかりやすく説明した。

私「ママはいつもヒロの味方だよ。ヒロの事を絶対に守るよ。」

学校が ”楽しいところ” だと思っている子供は本当に幸いだと思う。
この頃から息子は”先生”という立場の人に対して怯えるようになった。家ではとても素直で明るいおしゃべりな息子が先生の前では決して笑顔を見せない心を閉した子どもになっていた。


これは大人にも言える事かもしれないが、1日のほとんどの時間を過ごす場所で辛い思いをしている人は地獄の人生だと思う。そんな地獄の人生を何のために誰のために続けているのか? 

止められないの? 変えられないの?  家族の為に続けてるの?
義務教育だから学校行かなくちゃいけないの?

どうしたらいいの? 

私は今まで以上に息子の学校生活について夫と話し合うようになった。

ついに小学1年生が終了。ワタナベ先生とサヨナラする時が来た。
息子は努力した生徒として表彰状をもらってきた。

私「ヒロ、おめでとう。すごいものもらったね!」私は息子を力いっぱい抱きしめた。

でもこれで終わったわけじゃない。

見た目にはなんの問題もない息子。話し方も、行動も普通の子どもと変わりません。

文字を読まなければ、
文字を書かなければ、
記憶する事をしなければ、
集中する事をしなければ。




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