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「愛してる」に代わる言葉。

こんばんは、Nanashyです。

今日の天候は雨、桜も一気に散ってしまいそうな強い雨が降りました。

春になると、必ず思い出すことがあるんです。実は僕、去年の今頃は妻と娘がいまして。決して器用と言えないけど、誰よりも僕のことを理解してくれる妻と、それはそれはもう『目に入れても痛くない』という言葉では表しきれないほど可愛い愛娘がいたんです。

それが、コロナウイルスがきっかけになり僕たち家族は離れ離れで暮らすことになりました。今では毎月一度妻の実家に会いに行く程度しかできなくなってしまいました。

ここで今回のタイトル、「愛してる」に代わる言葉のお話をさせてもらえたらと思います。

妻との出会いは、お恥ずかしい話昔シンガーソングライターをしていた時期がありまして。その時僕の事を応援してくれてたのが、今の妻なんです。

当時妻とは遠距離恋愛だったので、毎日欠かさずラインや電話をしていました。そりゃ恋人なので、好きだよとか、愛してるよなんて言葉も交わしながら毎日を送ってました。そして結婚して、娘が出来て、これから家族三人で楽しく暮らしていこうと思っていた時の事です。

妻が、産後うつ病になってしまい、とても塞ぎ込んでしまうようになりました。元々あった縁もその影響で疎遠になり、なかなかコミュニケーションを取ることさえ難しい日が増えていきました。

そんな中産後ガルガル期という状況も始まってしまい、妻は娘の事ばかりになりました。この時、僕と妻の間に今までなかった壁があったことは、言うまでもありません。

遠距離恋愛していた頃、あれだけお互いに伝えあっていた「好き」という愛情表現が、すぐそばにいるのに出来なくなってしまっていました。

今まで当たり前のように言えていた「愛してるよ」のひと言が、妻に変な負担をかけてしまうのではないか、なんて事を言おうとする度に考えてしまい何も伝えることが出来なくなってしまったんです。

そんなある日のことです。当時音楽をしていた絡みもあってライブバーの店員をしていた僕に、「たまにはオリジナル聞かせてよ」とお客様からリクエストがあったんです。

自分の音楽からしばらく離れた生活をしていたので、お世辞にもなかなかいい歌を歌えるような状態ではなかったのですが、せっかくリクエストを頂けたので一曲だけ演奏することにしました。

「なんか思い入れのある曲歌ってほしいな。」リクエストは50代のご夫婦からのもので、ふと自身で書いた一曲が浮かんだんです。

曲名は、「ただいま。おかえり。」

元々、親戚のお姉ちゃんの結婚式の余興で一曲お願いされて作った曲だったんです。「なんかあったかくなれるような、そんな曲を贈ってほしい。」というお世話になったお姉ちゃんに向けて、心を込めて作った曲なんです。

そんな曲をお二人に歌いたいです、なんて軽いMCをしてから歌ったんです。勿論、演奏も歌唱もつたないものでしたが。

その曲の歌詞を、少しだけここに載せたいと思います。少し恥ずかしいので、全部はあれなんですけどね。笑

「ただいま。」「おかえり。」そんなあったかい言葉を

何気なく言い合える ほんの小さな幸せ

そんな小さな幸せを 一つ一つ重ねて

いつか大きな幸せに できるといいな なんてね

「愛してる」なんて言葉を 口にするのは恥ずかしいから

今はそう この言葉を 言い合えることが 僕らの愛の証

「愛してる」なんて思いを口にするのは 照れ臭いから

今はそうこの言葉を 言い合えることが 僕らの愛の証

今日も君に言うよ 「ただいま。」「おかえり。」

この曲を歌い終わってから気付いたんです。そうだ、別に「愛してる」って言葉に出来なくたって、ちゃんと愛情は届けることが出来るんだって。まさか自分が書いたはずの曲に助けられる日が来るなんて思いもしませんでした。

これを読んでくださった方々の中には、愛情をうまく伝えることが出来ない方や、僕みたいに伝えられていたはずの言葉がうまく伝えられなくなったような方、いろいろな方がいると思います。

別に、「好き」とか「愛してる」っていうのは愛情表現に最も適している言葉というだけで、そうじゃない、例えば家に帰って君がいることを実感できる「ただいま。」や、君が帰ってきてくれた喜びを表す「おかえり。」という言葉が、伝え合う人の中で愛情表現になればそれでいいんじゃないかと、僕は思います。

ベタなところで言えば、「月が綺麗ですね。」なんて言葉は「あなたを愛しています。」という意味を持つことが出来たり、言葉っていうものはその時の感情に乗って意味や意図が変わるものだと、僕は思っています。

もしも愛を、それ以外の何かを伝えたくても伝えられないそんな時は、こんな風に言葉を変えて伝えることが出来る人もいるんだよって事を覚えておいてほしいです。

僕にできることは、あなたにもきっとできるはずだから。

これを読んでくれたあなたの人生が、少しでも豊かになりますように。

2021.04.06      Nanashy

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