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自由帳から不自由帳へ

 かつて、自由に自分の好きなことだけを書いていいノートをみんな持っていた。

 物語を書いてもいいし、詩を書いてもいいし、エッセイを書いてもいいし、小説を書いてもいいし、写真を貼り付けてもいい。ノートでできることなら、何でもよかった。

 毎日新しいことを書いても、不思議なことに、残りのページ数が減ることのないノートをみんな持っていた。

 自分の思ったことだけを書いていればよかったノートに、いつしか誰かがこっそり感想を書くようになった。それが楽しいと思えることが多かった。

 自分のノートだから、誰が何を書いたとしても、自分の思いを綴るだけでいい。私のノートなのだから、他人は書き込まないで!

 「こうしたほうがいい」「ああしたほうがいい」「いや、そのままでいい」と他人に書き込まれると、息がつまる思いがした。

 自分だけのノートなのだから、他人の目のつくところなんかに置かないで、自分の家に置いておけばよい、と人は言うかもしれない。
 でも、誰かに見てもらいたい、読んでもらいたい、という気持ちもある。

 他人の「ああしろ、ここしろ」は嫌だ、だけど、自分の書いたことを読んでもらいたい。矛盾しているだろうか?

 自由帳から不自由帳へ。そんな気がしたから、闇の中で書いた浮雲を消した。
 
  


過去記事のリメイクです。
2年半前の記事です。



#振り返りnote
#ノートブック

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山根あきら | 妄想哲学者
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします

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