詩 | 風の時代

2024年10月29日 17:44

より多くのモノを所有して
あたかも植物を育てるかのように
モノからモノを増やすという
土の時代は終わりを告げた

今、時代は
土の時代から風の時代へと
移っていった

風の時代では
すべての出来事は
次から次へと流れていく

今は風の時代だから
土の時代の頃のように
不動産やステレオタイプのアイデアは
持ちつづけていても育ちやしない

すべては常に風に流されて
１ヶ所にとどまることを許さない

風の時代に必要なのは
雲のようにとらえどころのないものを
即座にキャッチして
形のあるものへと昇華することだ

土の時代は「思想」の時代。
思想とは「thought」、
つまり「考えられたこと」を
育てることが
土の時代を生きる術であった。

風の時代は「思考」の時代。
思考とは「thinking」、
つまり「今、考えていること」を
他人とやり取りすることが
風の時代を生きる術なのである。

西から東へ
東から西へ

風の時代は
気まぐれな時代とも言えよう…

私が信じるのは
気ままにそよぐ
風の爽やかさのみだ

　三段論法ってありますね。

　たとえば、
①人間は死ぬ(大前提)
②ソクラテスは人間である(小前提)
③ゆえにソクラテスは死ぬ(結論)

…のような。

　論理学の講義をするつもりはないのですが、ごく単純に言うと、
① A=B
② B=C
③ ゆえにA=C
…というイメージです。

　この三段論法の形式に適合している限り、「論理的」であると言えます。

　だから、
①人間は海を泳ぐ。
②海を泳ぐのは魚である。
③ゆえに人間は魚である。

　「人間が魚である」という結論は、論理的に正しいですね。しかし、当然のことながら、人間は魚ではありません。

　この記事の最初に書いた詩は、私が適当に書いたものです。

　noteをはじめてから「風の時代」という言葉をたびたび見かける機会が多いのですが、「本気で信じていている人っているのだろうか？」と冷めた目で眺めています。

　私はまったく信じていませんが、「占い」とか「スピリチュアル系」の話を「バカじゃないの？」とは思いません。

　それなりに論理的ではありますからね。

　昔の私だったら、「意味不明」「根拠薄弱」「信じる人バカ！」だったんですけど、今は少し違います。

　「なぜ、明らかに非科学的なのに、熱烈にスピリチュアル系を信じる人がいるのだろうか？」と考えています。

　もう四半世紀前のことになりますが、前世紀の末に、高学歴の理系の人々が、信仰を貫くために大規模なテロ事件を引き起こしたことがありました。

　なぜ高度な科学的思考を持つ人々がカルト集団の教義を信じてしまうのだろうかと、疑問に思った人も多かったのではないでしょうか？

　雑な言い方になりますが、科学にせよ、哲学にせよ、宗教にしろ、占星術にせよ、みな物質的なものではなく、頭の中にある形のないモノに過ぎません。そして、いずれのものも、形のない思考を形にしようとする取り組みであることは共通しています。

　科学的なことならば、実験により、反証することが可能です。しかしながら、強固な基盤を持つと考えられている数学でさえ、突き詰めていけば、これ以上はもう正しいと認めないと話が始まらないという公理(axiom)にたどり着きます。

　簡単に、誰の目にもあきらかな間違いだと指摘できるならば、占いやスピリチュアル系の話が蔓延ることはないでしょう。けれども、完全に間違っている！、と説明することは意外と難しいんですよね。

　話のネタ程度やコミュニケーションの一環として、占いやスピリチュアルの話をする人々を非難したくはありませんが、望んで聞きたい話でもありません。なぜなら、何も根拠がないからです。しかも反証できないことも多いから、イライラしてくるのです。

　煎じつめれば私だって「間違っていると信じているから間違っているのだ」としか言えないんですよね。

　私の身と心を支えている哲学的思考だって、ファンタジー的な要素を多く含んでいますから。
　でも、それでも私は、宗教・占い・スピリチュアル系の話に救いを求めるよりも、哲学的な救いにconsolationを求めたい。

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記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします