私見 | 総選挙の見方
現在、衆議院議員の定数は465人です。そして、石破内閣の人数は、総理大臣も含めて20人います。
465 ÷ 2 = 232.5 なので、過半数は233人になります。
議員定数や内閣の構成員の数が多いとか少ないとかいう問題はさておき(それも大切な議論ですが)、この記事では、衆議院議員の定数や内閣を構成する人数は所与のものとして、モデルを作って、総選挙について考えてみたいと思います。
モデルなので、実際よりもかなり単純化した考察になります。
https://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kokkai/kokkai_kousei.htm
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241001/k10014597461000.html
総選挙モデルの前提条件
たとえば、総選挙のモデルを次のように考えてみます。
①
衆議院議員の定数は465人、
その過半数は233人、
内閣の構成員の数は20人。
②
選挙結果を踏まえて、「比較第1党」が中心になって内閣を作る。
③
各政党は「過半数233人」を得ること、大臣に就任すること、を総選挙の最大の目的とする。
④
単独であれ、連立であれ、過半数を獲得できない政党の衆議院議員は、大臣になることはできない。
⑤
大臣になる「幸福度」は、
「大臣数20 ÷ 政権与党の人数」で定義されるものとする。
衆議院議員は、「幸福度」の極大化を最大の目的とする。
⑥
比較第1党が単独過半数を獲得できた場合は、比較第1党の党員のみが総理大臣を含む国務大臣になることができる。
比較第1党は、1議席でも足りない場合は、比較第1党以外の政党と連立政権を作り、連立相手の政党から必ず大臣を出さなければならない。
このような前提で考えると…
このような前提条件で総選挙が行われた場合、比較第1党から選出される大臣の数、及び「幸福度」が極大化するのは、衆議院議員定数の過半数である233人ちょうどの議席を獲得したときである。
比較第1党が単独で過半数以上の議席を獲得したときは、大臣をすべて当該政党が得ることができるが、獲得議席が多いと「幸福度」は逓減していく。
というのは、大臣になる「幸福度」は、「大臣数20 ÷ 政権与党の人数」だから、「政権与党の人数」という分母が大きくなるほど、幸福度の値が小さくなるからである。
比較第1党が中心になって組閣するという前提のもとでは、当該政党にとって最も望ましいのは、単独で過半数の議席を得ることだ。
しかしながら、比較第1党が中心に内閣を作るのではなく、現実には(野党連合のように)複数の政党が過半数に届くように、数合わせすることも考えられる。
比較第1党が過半数に達しない場合、それ以外の政党や議員が結集することができれば、内閣を作る可能性がある。
また、比較第1党がちょうど過半数の議席だった場合、その政党が一枚岩でなければ、大臣になれなかった者が、党を割って出て、他の政党と連立を組むことも可能性としてはある。
結び
実際の選挙では、どの政党の誰がどのような考え方をもっているのかということが話題になることが多い。
確かにひとりひとりの考え方や政治信条は異なる。
しかし、個々の政治家の動きはわからないにしても、社会科学的には、モデルを作って考えてみると、大まかな動きは予測できる。
経済学や政治学のような社学科学では、自然科学のように実験して検証することができないが、作業仮説としてモデルを作ってみると、全体としてどのようなことが起こり得るかというサジェスチョンを得ることはできると思う。
実際に、今回の選挙では、結果を正確に予測することは難しい。
しかし、結果はどうであれ、総選挙とは、過半数の勢力をいかに形成するかという争いであることは間違いない。
仮に比較第1党が過半数を得たとしても、その党に所属する議員の中で、大臣になることができなかった者が党を割って出て新党を作り、他党と連立政権を樹立するという可能性はあるだろう。そこまで気骨のある議員がいるかどうかは知らないが。。。
⚠️注
この記事では、特定の政党のことには触れていません。あくまでも、作業仮説のモデルからどのようなことが起こり得るかのか?、という考察を書いたに過ぎません。
モデル思考については、以下の記事(↓)を参考にしてください。
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