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睡蓮
2018年11月7日 01:25
台所で濃い目のブラックコーヒーを淹れると、作業場兼リビングの部屋へ戻る。アロマディフューザーからもくもく吐き出される、草っぽいような水っぽいような蒸気が彼女を包んでいる。変な重ね着の仕方をした部屋着はなんだかドレスのよう。頭を抱え、布団に転がっている様子を見ると、なんだか今にも消えそうな気がしてくる。 たまに、あぁとかうぅとか呻っている。 焦げ臭い攻撃的な匂いのするカップを作業机に置くと、あ