空の胎児

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画像6 5階と屋上をつなぐ階段を登ったところ。 最上階特有の、屋根のすぐ下にこもった熱で、胸がぎゅっとなった。 青い空しか見えない高さの窓の隣に、射し込む夕陽が、白い壁に光る温度の色をつける。 屋上への扉は鍵がないと開かない。 でもドアノブを引っ張ってみたのは1度だけ。 上に行きたかったことはいつのまにか忘れて、汗でおでこに前髪が貼りつくまで、小さく囲われたいちばん高い踊り場に、うっとり居座っていた。
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