やはらか

わたしは誰かが描いた絵や詩を、聞かれなければ「好き!」ということ以外は特に言わないし、というか忘れがちだし、感想を聞かれたとしても、どれだけ心震え圧倒されたかとか、こういうこと思い出してぎゅっとなったんだよとか、やっぱりそういうことしか言えない。なにかを二つ並べられて「どっちがいい?」と聞かれれば、その時着たい服を選ぶような気持ちでひとつを選ぶことはできるけれど、選ばなかった方を批判してるわけでもない。

どうして好きじゃない作品に対して、重々しそうに、もしくはおもしろおかしそうに、何か言いたくなるんだろうなあ。作品がああだこうだと批判なんかしたって、ねえ、そこじゃないもの、絵や詩はあんなにも、受け手のこころを型どって柔らかであるのに。

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