2013/06/06 Thurs. [碧い夜の音楽鑑賞]
脳に電気を流しているようなノイズが、一際大きくなって消えた。
おとずれた静けさの中でふと気づいたのは、線香花火が燃え尽きたあとの、闇の深さと香りに似ているということ。
けれどあまり気にはしなかった。風が流れていた。
なんだか自分の過去に陶酔しているような感覚のまま、僕は玄関に向かうのだろう。そこで揺れているカーテンをみて、風の在処を知り、満足してまた此処へ戻って座る。
さて、次に僕は何を選曲しよう?
少し短めの未来予知だ。軽い溜め息とともに笑い、君は椅子から立ち上がった。誰も(僕の)いないその椅子は 気だるく一回転したけど、君は気にしなかった。たぶん風が流れていた。
期待どおりの足どりで、キッチンをまわって玄関へ向かう途中、3つの鏡があるはずだ。きっと 目を背けているだろう。
僕は沢山の思想のあいだに、もう窓に手をのばしていた。見えなくったって 君は月の在り処を知っていた。
「碧い夜だね」 白いカーテンが揺れていた。碧い夜だった。
僕はまた満足して此処へ戻ってくる。椅子には誰も(君が)居なかったけど、まわったりはしない。君は気にしなかったし。
さて、次に何を選曲しよう?
僕はティーカップに触れた唇を、もう一度離して思った。
僕は間違っていた。ふと気づいたのは、午前4時の星と、震える濃闇の香りに似ているということだった。
風は、流れていただろうか。